Vol.17 Career up in NZ ニュージーランドの不動産会社レセプショニスト |
オークランドの中心から西に位置しているNew Lynnにある不動産会社Ray WhiteのNew Lynn 支店でレセプショニストとして働く静香さん。レセプショニストといってもその業務は受付だけではなく、21人いるセールススタッフのアシスタントとして書類の管理や広告制作なども行っている。
ニュージーランドとの出会いは小学6年生の時でした。それは自分の意思というわけではなく、親がニュージーランドに来ることを決め、当然のように私もついて来たことがキッカケでした。日本を離れて最初の生活の場として、私だけはオーストラリアのパースに行きました。そこで現地の中学校に入ったのです。仲の良かった友達と別れて、すべてが英語という環境に入っていかなければならず、初めのころはあまり馴染めず、学校では無口でした。日本でも少し英会話学校に通い、パースでも中学に入る前に語学学校に通っていたのですが、やはり発音が悪く私が喋ったときにクラスメイトから、からかわれこともありました。それで人前で喋ることがいやで仕方がありませんでした。また私が通っていた学校は全寮制で周りに日本語を話したり、見かけたりする環境は一切なくホームシックにもかかりました。ただ、学校は日本で想像していたものをはるかに超えて開放的でした。広々とした敷地、空を遮ることがない高さの建物、校舎と校舎の間も広々していました。教室の机の並び方も日本とは違っていました。先生を中心にコの字の形に机が並べられ、生徒同士の顔がお互いに見えるように座っているため、終始和気あいあいとした雰囲気で授業が進められていました。友達もみんな明るく積極的に私に話し掛けてきてくれました。そういったことが少しずつ、私をそこでの生活に打ち解けさせていきました。 中学卒業後、ニュージーランドのハミルトンの高校に進む。ここでも寮生活を送っていた。
高校を出たあとすぐにカフェ、免税店で働きました。それぞれが私にとっては有意義な経験になりました。中学、高校と英語の中で過ごしていて日本語との接触と言えば、時々、親と話をするくらいだったので、どちらかと言うと英語が強くなっていた私にとって、免税店では日本語を見直す良い機会になりました。その後、新しいことにチャレンジしようと思い、毎日のように新聞の求人欄に目を通していました。そしてある日、不動産会社であるRay Whiteのレセプション兼事務の求人を見つけ、それに応募しようと思ったのです。まずは会社へ電話をかけました。すると、受付の人が出たので私は「I'm responding to a receptionist position that was advertised in the Western Leaders」と言い、そしてマネージャーに代わってもらうように言いました。ここで私が気をつけたことはごく基本的なことでしたが、声のトーンがあまり暗くならないことと、話し方があまりモゴモゴしないようにクリアーに話すようにしたことです。電話の時点で審査は始まっているという意識を持つことが大切だと思ったからです。特に私が応募したのは受付事務ですから、仕事の内容としては電話応対も大きなウエイトを占めるだろうと思っていました。最初に出た相手はレセプショニストで人事の決定権はないとしても、後でマネージャーがレセプショニストに「彼女の話し方はどうだった?印象はどう?」という会話が交わされないとも限りません。ですから相手になるべく良い印象を持ってもらえるよう努めたのです。 採用決定後、トレーニングに入った。 入社して、会社の中のシステムやコンピューターの使い方などの研修を受けました。特に不動産売買で重要になってくる契約書の処理の仕方は多くの時間を割きました。この書類にはその家の価格を始め、いろいろな情報が書いてあります。その家にテレビのアンテナが付いているのか?照明の器具は含まれているのか?カーペットは?などです。そういった各インフォメーションの漏れはないかどうかをチェックします。通常、一軒の家の売買では売り手にも買い手にも弁護士がつきます。私の会社の場合は契約書の裏に双方の弁護士の名前や会社名、電話番号、日付などを記載するようにしています。日付が抜けていることがよくあるのでそれを注意しなければなりません。また日を追って、どういった手順で売買が成立したかも書類に記載されていなければなりません。これは後で何かトラブルがあった場合に経過説明などの必要もあるからです。その他、書類の保管方法などを学びました。 研修終了後、New Lynnオフィスのレセプション業務に就いた。
出勤すると最初にセールスの人が昨晩作った書類の整理をします。セールスの人は固定給制ではなく、一軒売ってそれに対して給料が入るというコミッション制です。ですから契約社員とかフリーで働いているといった要素が強く、出勤時間も決まっていません。お客様の在宅時間に合わせて夜も遅くなることが多くなるのです。 売買は契約書を交わした後でもスムースに進行していかないこともあるという。
たとえば、リストアップされた時と条件が違っている場合などには、そこで一時ストップします。これまでで一番大きく違っていたことでは、リストアップされていたときの条件では庭に物置があるということでしたが、実際にはついていなかったということがありました。そのほかには買い手側のローンがうまく組めずに止まってしまうこともあります。契約書にサインをしてから融資元の銀行を探す人も少なくありません。その際に銀行の審査に通らず、資金を調達することができずに話が流れてしまうのです。通常、サインをした日付から5日後に支払いが行われるのですが、その5日の間に銀行を探すという人も多くいます。その場合、契約書上はA銀行他、という様に記載されされているのですが、そのA銀行に断られ、その他の銀行にも断られてしまい、結局契約が成立しないことがあるのです。 不動産関連の留学をしたい、体験したい、資格を取りたい、この分野で仕事をしたいと言う方はイーキューブ留学セクション、イースクエアまでお問い合わせ下さい。 |