E-CUBE 2004年11月

VOL.34 11月号


NZで活躍する日本人

時代を飾るキウィ




自由時間 : ワーキングホリデーやスチューデントで活躍中

<ファッション・デザイン科学生:川崎 和加奈 さん | メイン | ダンス:岡部 多鶴 さん>

ウクレレ奏者:長島 明子 さん

長島 明子 さんニュージーランドでウクレレをはじめました

ワーキングホリデーで英語学校に通ったり、旅行、アルバイトなど、ニュージーランド生活を楽しんでいる長島明子さん。
ひょんなことから、この国でウクレレに出会うことになった。

Akiko Nagashima
長島 明子(ながしま あきこ)
1979年生まれ。東京出身。大学在学時からニュージーランドにワーキングホリデーで来ることを決意し、03年12月に来る。英語学校の友人に誘いからウクレレを知り、毎週日曜日の15時から行われる「ウクレレ会」に参加。英語学校、旅行、フルーツピッキング、アルバイトなど、1年のワーキングホリデー生活を満喫中。

 私がワーキングホリデー制度やニュージーランドのことを知ったのは大学4年の夏休みのことです。愛知県にある保養所に住み込みでアルバイトをしていたとき、仲良くなった友人からワーキングホリデー制度のことを聞いたのがキッカケでした。というのも、その友人はすでにオーストラリアに1年間ワーキングホリデーで生活したことがあり、近いうちにニュージーランドへワーキングホリデー制度を利用して行きたいと話していたのです。
 元来、好奇心が旺盛な私はすぐに興味を持ちました。ワーキングホリデー制度のことも、ニュージーランドという国についてもです。旅行をしたり、英語学校に通ったり、アルバイトもできる制度。自然が豊かできれいな国。友人と話し、想像するだけでワクワクしました。
 それまでもいろいろなことに興味があり、チャレンジしていた私はボディボードや山登り、旅行も好きで国内をはじめ、オーストラリアやハワイにも行ったことがありました。 興味があることは、トコトン調べて行動しなければ納得いかなかったのです。
それからというもの、いつの日かニュージーランドにワーキングホリデーで行こうと決意しました。

 大学を卒業後、就職しましたが少しも決意は揺らぎませんでした。仕事をして渡航資金を貯めながら、中野にあるワーキングホリデー協会に出入りをして情報を集めました。そこで開催される英会話や交流会にも参加して海外から日本にきている人たちとも仲良くなりました。
 そして、03年12月航空券のみを日本から購入し、オークランド空港に到着しました。空港から目指したのはオークランドの街中にあるYHA。日本で英会話も練習していたので少しは自信があったのですが、バスに乗るにも予想を上回って英語が全く通じません。やっとのことでYHAに来たものの、これではダメだと早くも落ち込み、英語学校に通うことにしました。しかし、ちょうど英語学校がクリスマスホリデー期間に突入。着いた早々トラブルもあって結局、年明けから英語学校に通うことにしました。

 時間が経つにつれ、英語を話すことにも聞くことにも慣れていきました。また、友人を通じて行動範囲も広がっていきました。
 そんな、ある日のことです。友人からウェブの掲示板で毎週日曜日にウクレレが好きな人が集まって練習が行われている「ウクレレクラブ」と呼ばれる日本人のサークルがあることを聞きました。そして、そのクラブを見学に行くので一緒に行かないかと誘われたのです。友人は、ギターを持っていたため一緒に演奏ができないかと考えていたのです。私はそれほど興味がなかったのですがついていくことにしました。
 当日、オークランド・ドメインに友人と向かうとウクレレを手にした何人かの人たちが草原に輪になって座っていました。そして、曲に合わせて、歌を歌ったりしていました。勇気を出して声を掛けると、くまおさん(ニックネーム)と呼ばれる、そのクラブのリーダーが、私が折角来たのだから、一曲弾いてみようとウクレレを貸してくれました。今までウクレレを手にしたことのない私は、構え方から教わりました。左手でネックと呼ばれる部分を持ちながら張られた弦を指で押さえ、右手で弦を弾くのです。ギターやベースなどの楽器と要領は同じです。右手指を上から下にジャカジャカすれば、音を鳴らすことはできるのですが人差し指で弾けば大きくてシャープな音、親指で弾くとやさしい音がでました。ちょっとした弾き方ひとつで表現を変えることができることを教えてくれました。
 そして、ハッピーバースデーという曲は初心者が始めるには簡単な曲だからそれから練習しようと譜面を見せてくれました。その譜面は、歌詞が書いてあって、どの弦を押さえればいいかも図で書いてあり、初心者の私にも、とてもわかりやすいものでした。そこには、3つの異なる図が書いてありました。ですから3つの押さえ方を覚えれば、曲が弾けてしまうのです。難しいことはよくわかりませんから、ただ単に押さえ方を覚えて、曲にあわせて弦を弾くのです。
 左手をうまく弦に押さえる事ができないと、音がしっかり鳴りません。ポロンという音色ではなく、ピッキンとかペキンといった汚い音になってしまいます。
 左手で弦を押さえる順番は覚えてしまうくらい、練習しました。頭ではわかっていても、なかなか上手に演奏することができなくて気がついたら日が暮れるまで集中してしまいました。ウクレレに触ることがはじめてにもかかわらず、弾いているうちに時間を忘れるほど、夢中になっていました。

 ウクレレクラブは、リーダーである、くまおさんが1人で演奏していても楽しくないからということで仲間を集め、始めたのがキッカケだそうです。また、英語もろくに喋れなかった彼が、「音楽に国境は無い」という言葉をそのまま鵜呑みにパーティーでウクレレを演奏して以来、コミュニケーションツールとして大活躍したという自身の体験から、ウクレレが持つ魅力を多くの人に知ってもらいたいのだそうです。
 ウクレレは、日本人にとって、ハワイや南国の楽器というイメージを多くの人が持っていると思います。ドリフターズの高木ブーさんが弾かれる小さくてかわいらしい弦楽器です。テレビなどでよくみなさんが今まで目にした事のあるもののほとんどは、ハワイアンウクレレと呼ばれるものです。
 ですが、ニュージーランドは南半球でサウスパシフィック(南太平洋)の島国です。そのせいか南太平洋諸国からの移民が多く、フィジー、サモア、トンガ、クックアイランド等の、ポリネシアの人達が多く住んでいます。その彼らの弾くウクレレは、タヒチアンウクレレと呼ばれる日本では滅多に見ることのできないものです。弦は8弦。全て同じ太さの釣り糸を使用しています。8弦といっても2弦ずつ同じ音の4組8弦なので、ハワイアンと同じ4弦になります。ですが、チューニングが少し違うのと構造が違うため音が異なります。
また、ウクレレには二つの形があります。一番オーソドックスなのが、腰の窪んだノーマルタイプ。もう一つはパイナップル型、下膨れのボディがかわいいやつです。ノーマルタイプより音はマイルドになります。
 オークランドの南オタラで週末開催されるフリーマーケットでは、サウスパシフィック系の人たちが多く出店しています。そこでは、ウクレレやウクレレで演奏したCDなんかが売っているのを目にすることもできます。いままでクラブのメンバーで一緒にマーケットに行ったりもしました。

 クラブは毎週日曜日にグレイリンのドンボーというレストランの場所を借りて練習しています。15時ぐらいから、みんなが集まり、1週間、何が起こったなどを話しながら、ウクレレを練習しています。はじめて演奏したときの曲「ハッピーバースデー」で使用した押さえ方は、コードと呼ばれるウクレレを演奏する上で基本となるコードでCとG7とFと呼ばれるものということを後から知りましたが、それと同様にAとかB7とか呼ばれるコードが曲によっては使われています。いろいろな曲をチャレンジするたびに知らないコードが出てきます。ですがコード表と呼ばれる押さえ方を図で示したものがあるのでそれほど難しくはありません。
 また、多少失敗しても、ウクレレは気軽にはじめることができます。みんなで歌を歌いながら楽しむことが重要なのです。今までにアニメの鉄腕アトムやキウィにも分かってもらえるビートルズの曲。ニュージーランドのマオリのポ・カレカレアナという曲などを練習しました。アニメや日本の曲を弾いていると「なつかしいねー」という声と共にその曲の話題で盛り上がります。また、ビートルズやマオリの曲は日本人以外の友人に聴かせたりすると大変受けがいいです。
 最近は陽気も良くなってきたので気持ちがいい屋外に出て、みんなでウクレレを弾きたいと思っています。また、今クラブには、ウクレレを弾く人以外にも、ギターもいることだし、今後バンド活動なんかもできたら面白いと思っています。

ウクレレ奏者:長島 明子 さんと連絡を取りたい、勉強したい、体験したい、資格を取りたい、この分野で仕事をしたいと言う方はイーキューブ留学セクションまで、お問い合わせ下さい。

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