E-CUBE 2003年09月

VOL.20 9月号


NZで活躍する日本人

時代を飾るキウィ




自由時間 : ワーキングホリデーやスチューデントで活躍中

<日本語教師:恒吉 友紀 さん | メイン | 日本語ラジオ放送:潮 総一郎 さん>

ビューティセラピー:中西 由貴子 さん

中西 由貴子 さん常に美しくありたいという女性の願いを叶えるためのお手伝いをしたいと思います。

 ニュージーランドにあるInternational College of Camilleで現在ビューティセラピーの勉強をしている中西由貴子さん。海外に目を向けた初めてのキッカケは友人と行ったマレーシア旅行であった。

中西 由貴子
1972年生まれ。香川県出身。エアロビクスのインストラクターとして、5年間いくつかのスポーツジムで会員の指導にあたった後、退職。アメリカ、ヨーロッパなどへ留学や旅行に行き、海外で長期滞在をしてみたいという理由からワーキングホリデーで01年3月ニュージーランドへ。今でも学校が終わった後、週3回はジムに通ったり、肌を活き活きと保つために普段からビタミンの摂取、水分補給、食生活などに気をつけて自ら学校で勉強したこと実践して過ごしている。   

 「私は学校を卒業してからエアロビクスのインストラクターをしていました。もともと、学生の頃からスポーツが好きで、小学校ではソフトボール、中学校ではバレーボール、高校ではジムに通い、身体を動かしていました。
 ちょうどその頃、女性でしたら誰もが1度は悩むことだと思うのですが、やせたいという願望が出始めてエアロビクスのクラスも受けていました。そして、いつしかクラスで教えてくれていた先生に強い感動と憧れを感じ、エアロビクスのインストラクターを目指すことにしました。そして、92年にオーディションを受けて、スポーツジムでエアロビクスのインストラクターの仕事をするようになりました。
 それから少しずつ、仕事をする場が増え、忙しく過ごしていた私は友人とマレーシア旅行に行くことになりました。そこでは、日本とは違う文化や人々と接したことで刺激を受けました。小さな日本しか知らなかった私にとってこの旅行は広く新しい世界を教えてくれました」

その後、日本では感じることの出来なかった開放感に再び接したいという思いと英語を勉強したいという気持ちが高まり、海外に出るために仕事をすべて辞めることにした。

 「5年間、エアロビクスのインストラクターをしていました。初めてクラスを持ってから経験も増え、受け持つクラスも多くなっていました。5年間を経て夢を叶えたと同時にマレーシア旅行での思いが重なり、好奇心と新しい分野を開くためもあり、仕事を辞めて海外に行く準備を始めました。
 時には、朝から晩までバイトをしてお金を貯めたり、情報収集に時間を費やしていました。そして、ある程度お金が貯まると3ヶ月とか4ヶ月の短期ではありますが、アメリカに行きました。そこでは、初めて体験するホームステイなどの海外生活がありました。街の雰囲気や天気の日に広がる空のすみきった青さに感動しました。毎日が夢の中にいるような気分で過ごしていました」

海外で生活を経験するうちに、もっと長い時間を外国で過ごしてみたいと思うようになった由貴子さんは、01年3月ワーキングホリデー制度を利用してニュージーランドに来た。

 「インストラクターを辞めてから短期留学や旅行に出ていろいろな国を見ていました。国が違えば文化や風習も違うことに興味が湧き、次に行く国では、長く住んでみたいと思うようになりました。その頃、ニュージーランドは物価が安く、いろいろな国の人が住んでいる、そして、私の故郷である香川のように自然も豊富ということを友人から聞きました。そこで、ワーキングホリデー制度を利用して、行くことを決めたのです。
 私のような人はあまりいないと思いますが、ワーキングホリデーで来ていて、1年間ずっと英語学校に通っていました。普通でしたら、限られた時間しかない中で旅行に行ったり、ファームステイなど、いろいろなことをしていると思います。ですが、私は以前、留学していたときから、もっと英語をしゃべれるようになりたい、コミュニケーション能力を向上させたいと思っていました。ですから、来た当初から積極的に日本人以外の国籍の人と交流を持つために、自分からしゃべりかけるようにしていました。また、英語力を高めたら、ニュージーランドで専門学校に通ってみたいとも思っていました」

いくつかの英語学校を経て、勉強をしていた由貴子さんは、現地のエージェントに専門学校の相談に行った。そこで、美容関係の専門学校の情報を得ることになった。

 「日本では、叔母が美容サロンを経営していました。そこで、肌にトラブルを抱えたお客さんのケアをしている叔母の姿を私は幼い頃から見ていました。その様子を見て、私は、叔母をお医者さんのように尊敬していました。また、私が行っていたインストラクターという仕事は、叔母の仕事と方法は違うのですが、健康的に美しくするという点では共通する部分があるのでは?と以前から思っていました。
 英語学校が終了してから、ニュージランドで行く専門学校の1つとして美容関係の学校を考えていました。そこで、英語学校を紹介してくれたエージェントに相談をしてみました。ニュージーランドの現地には、いくつかの日本人のカウンセラーがいるエージェントがあります。英語学校だけでなく、大学や専門学校への進学についても相談に乗ってくれるところもあります。
 私が相談してもらったところでは、いろいろな情報を提供してくれました。そして、その中の1つの学校に興味を持ちました。そして、国際的な資格を取得できるという理由からエステティシャンを養成するInternational College of Camilleに入学することに決めました」

03年1月、International College of Camilleに入学することになった。

 「International College of Camilleに入学するためには面接がありました。なぜ、ニュージーランドに来たのか、どうして、この学校を選んだのかといったものでした。そして、初日のオリエンテーションに行ってみると日本人はもちろん、アジアからは私1人だけで、ほとんどがキウィやヨーロピアン系の人でした。
 入学前は、エステティシャンは一見キレイで華やかなイメージだけしかありませんでした。マッサージやネイルがうまくできればいいのかなあくらいにしか思っていませんでした。ですが、実際授業を受けていくうちにわかってきましたが、エステティシャンとは、フェイシャル、ボディ、脱毛などの専門技術や、知識をお客様に提供するプロであって、必要に応じてカウンセリングも行うのです。初めてのお客様には、カウンセリングで悩みや要望などを聞き、問題点を把握。同時に、施術方法や美容機器の説明などが出来なくてはいけないのです。
 この仕事は医療ではありませんが、人体に関わるので、生理学や解剖学など人体の構造の知識や心理学の知識も必要なのです。実際に授業では骨、筋肉の種類、リンパ、ホルモンの機能、名前は全て覚えさせられます。スライドを使って、骨の絵をノートに書きながら、これは、Clavicle(鎖骨)、Vertebra(脊柱骨)といった具合に授業は進められます。
 また、インストラクターをしていたときに勉強した筋肉についてのことも改めて勉強しています。たとえば、筋繊維は、すべて同じ性質を持っているわけではなく筋肉が縮む速さによって大きく分けて、縮む速度の速い筋繊維である「速筋」と縮む速度が速筋の2分の1の「遅筋」 の2種類があり、遅筋は、速筋よりも持久力にすぐれ、また疲れにくいという性質を持っているということ。速筋は縮む速度が遅筋の2倍で、瞬間的なパワーや瞬発力にすぐれているという性質を持っているため、遅筋の割合が大きい人は持久力を必要とするスポーツに向いており、速筋の割合が大きい人は瞬発力を必要とするスポーツに向いているということなどです。
 理論の授業で、人間の構造をよく理解した上で効果的なマッサージの方法などを実習で学ぶのです。
 また、美容器機の扱いなどの技術も勉強しなければなりません。針を毛穴に刺し、毛根に当て、電流を流し、毛を除去する永久脱毛のための機械の構造、使い方などもその1つです。
 他には、にきび、湿疹、アレルギーなどに困っている人には、その原因を探りどのような治療をすればいいか、もし症状がひどい人には医者を通して治療し、どの薬が適当か、その薬の成分は、どのようなものが入っているかなど薬品の知識も必要です。本来、ビューティセラピーは、手術をすることはできませんが、関連する知識は必要とされるのです。授業で使われる専門用語には医学用語も含まれ、ラテン語から来ている言葉やフランス語から来ている言葉も多くあります。
 毎日の授業は、とても大変です。専門用語はもちろん、理論、技術すべてにおいて覚えることが山ほどあります。それに、毎日復習テストがあるので、授業が終わっても、そのために勉強をしなければなりません。ですから、入学時から比べて、今のクラスの人数は半分以下になってしまいました」

 日本では最近、癒し系、アロマセラピーなどの言葉が大きくクローズアップされ、タレントがテレビや雑誌でエステサロンや製品を紹介すればブームになってしまうほど美容産業は活発になっている。現在エステティシャンは日本全国で3万人以上ともいわれ、数年前までは、一部の女性が利用していたエステサロンも、年齢層が広がり、最近では男性の利用者も徐々に増えている。
 由紀子さんはニュージーランドでも、移民や旅行者が増えてきており、急速に美容産業が活発な動きを見せ始めていると感じるという。

 「実際には、まだ店に出てお客さんと接したことはありませんので仕事内容に関してのことはいえませんが街にはネイルサロンが新規でオープンしたり、化粧品などの新製品も世界の流れと同様に出ていると感じます。また、私は今でも学校に通った後にジムにも通っています。そこはレスミルズというニュージーランドでも大規模なジムなのですが、そこにはわざわざ日本から研修に来るほど話題になっているプログラムがあります。それはボディ・トレーニング・システムといって、有酸素運動、格闘技、筋肉トレーニング、ストレッチなどを取り入れたプログラムで、それぞれ音楽に合わせて体を動かしていくエクササイズの方法です。
 日本には、今のところ「ボディコンバット」「ボディパンプ」「ボディアタック」「ボディステップ」「ボディヒーリング」「ボディバイク」と呼ばれる6種類のプログラムが紹介されているようで、世界50カ国でも、そのプログラムが使われているそうです。
 各プログラムの振り付けや音楽は、継続的にレスミルズ本部より供給されることから、プログラムは定期的にリニューアルされ、しかも、世界共通の品質基準を維持しているそうです。私は、このプログラム1つをとってみても、ニュージーランドの人々の健康や美容に関する意識の高さを感じました。

 私はニュージーランドが好きです。今の目標は学校を卒業して資格を取得してニュージーランドや他の国でビューティセラピーに関する仕事の経験を積むことです。そしていつか、日本で行っていたインストラクターという仕事での経験と今学んでいるビューティセラピーの知識を結びつけて、お客さんにアドバイスなどを与えていけたらいいと思っています」

ビューティセラピー:中西 由貴子 さんと連絡を取りたい、勉強したい、体験したい、資格を取りたい、この分野で仕事をしたいと言う方はイーキューブ留学セクションまで、お問い合わせ下さい。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/122