Vol.108 時代を飾るキーパーソン Auckland International College校長 |
2003年に 国際教育を目指して設立されたAIC. オークランド・インターナショナル・カレッジ。7年経った現在、IB(国際バカロレア)専門高校としてニュージーランド国内外で高い評価を得ている。生徒の多くが世界のトップ20に名を連ねる超一流大学へ入学する、というはっきりした目的を持って勉強している。そのAICの校長、ペリー氏に話を聞いた。
高いモチベーションの生徒たち
AICの特長は、生徒がとても高いモチベーションを持って勉強していることです。イギリスの高校で教えていた時にはなかった雰囲気です。カタールの、アラブ人の学生はかなりしっかり勉強するムードでしたが、AICの生徒の勤勉さには足元にも及びません。AICでは、ほとんどの生徒が世界のトップ20に入る超一流大学進学を目指しているので、学校全体の雰囲気がとてもアカデミックで、自ずと勉強させられる環境になっているのです。この学校にスポーツをするために来る生徒はいません。皆、超一流大学に入るための勉強をするために入学してきます。
海外の大学へ行く、など私が高校生だった頃には考えもよらなかったことです。AICの生徒は誰もがとても大きい世界的ビジョンを持っていて、英語圏の世界でトップ一流大学で教育を受けることを、将来に有利なことと考えています。より良いグローバル・シチズンになるために、英語圏でIBコースを採り、いい成績を得ることがその一歩なのです。
AICは現在、11年生から13年生まで約390名の生徒が勉強しています。そのうち約60%がいわゆるインターナショナル・スチューデントで、海外にいる親元を離れて寮で生活しています。アジア人がほとんど。全員がとても勤勉、しっかりと計画を立てて勉強する姿勢なので、自ずと高いレベルが生まれます。寮のスタッフが、夜遅くに生徒の勉強を中断させなければならない、というようなことがよくあるくらいです。そんな学校ですから、当然トップの成績を収める生徒が多くいます。 でも、私としては生徒の「EFFORT、努力」がもっとも重要なことだと信じます。個々が自分のありったけの力を振り絞ってがんばって、それでも平均点しか取れない、というのであれば、それはそれでいいのだということです。点数は問題ではない、ただの数字。それよりも大切なのは、自分で自分の学習をコントロールして全力を尽くす、いわば、ミニ大学的な学習方法を得ること。それはAICの、それからIBの特長です。
IBはご存知の通り、2年間のコースです。普通、12年生と13年生の2年間で履修して、13年生の終わりに最終試験を受けます。AICにはIBコースだけしかありませんから、11年生には、AIC独自のIB準備コースを行っています。これはNZQAの認可も受けた中身の濃い内容です。NCEAレベル2と同程度の科目履修内容を盛り込み、IBディプロマへの準備として不足のないものだと自負しています。IBは、母国語、外国語、数学、社会科、理科、芸術科目という、多岐にわたった6科目を採らなければならない学習量のたいへん多いコースですから、準備コースもそれに沿って、多科目が選択できます。 広島にある姉妹校AICJ(エイ・アイ・シー・ジャパン)から毎年20名ほどが6ヶ月から1年の間、英語を上達させるためにAICに来て11年生を過ごしますが、近い将来には、12,13年生と、そのなかからニュージーランドに残ってIBをこちらで受ける生徒が増える見込みです。日本の大学が、海外の学校で3年以上を過ごした日本人学生を、英語で行う講義の課程へ入学許可するようになったからです。
来年7月に現在の町の真ん中のビルから、ブロックハウス・ベイの緑の多い校舎へ移転します。現在よりももっと、大学のキャンパスのような雰囲気になります。寮も近くに新しく設けられます。AICは歴史が浅く、まだまだニュージーランド人に知られていない学校ですが、移転を機にもっと地元キウイの生徒を受け入れるようになるといいと思います。 AICでは、欧米の学校のカレンダーに合わせて、7月が新学年の始まりです。これはIBの最終試験を北半球の生徒と同じ5月に受けて、そのままストレートに欧米の大学に入学できるようにするためです。ここの多くの生徒がアメリカやイギリスの大学へ進学を希望していますから。ニュージーランドの他のIBスクールでは、11月にIB試験を受けるため、欧米の大学入学までに6ヶ月の期間が空きます。もちろん、ニュージーランドやオーストラリアなど南半球の大学へ入学するためには、その方が都合が良いですが。
AICのプレジデント、アグネス・チャン氏は、多忙な女性で、なかなかオークランドに来る機会がありませんが、前回の訪問時には、全校生徒を集めて講演しました。私は、それまで彼女がどんな人であるのか全く知りませんでしたが、スピーチを聞いて深い感銘を受けました。物静かで穏やかな話し振りでメモなどを全く使わず、1時間あまり。ユニセフの仕事で途上国で視たこと、聞いたこと、働いたこと、など彼女の経験談でした。自分自身がこれまでにやってきたことと比較して、彼女がなんと人の役にたっていることか、世界に貢献していることか、と思い知ったのは私だけではないはずです。彼女がAICのプレジデントであり、生徒のロールモデルであることは素晴らしいことです。来年の新校舎移転の際には、ぜひ再訪して欲しいと願っています。
この記事を読んで、AIC (Auckland International College)やIB(International Baccalaureate 国際バカロレア)
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