留学生やワーホリの皆さんの中には、「ニュージーランドで就職したい!」という方も多いのではないでしょうか? でもその一方「自分には無理・・・」と最初からあきらめていませんか? 以前はそんな1人だった本橋郁実さんが、有名企業でCADテクニシャンとしてのポジションをつかむまでの道のりをたどってみました。
【Profile】
本橋郁実
BECA / CADテクニシャン
大学の建築学科を卒業、就職後2004年10月ワーホリビザで渡航。ネルソンの語学学校に通った後、南島をほとんどすべて一周しながらトランピング。その後日本での経歴を生かしてCADテクニシャンとして就職する。在職中にオークランド大学やUNITECでスキルアップした後、2010年にアジア太平洋地域で有数のEngineering Consultant Becaに転職。休日はテニスやキャンプ、ハイキングなどアウトドアをエンジョイしている。*Becaは2010年度のDeloittte/Management Magazine Top 200 AwardsにおいてCompany of the Yearを受賞。民間企業が受賞したのは21年間の歴史で初めてのこと。
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オークランド大学に通った1年半は遊ぶ時間もなかった。 |
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CVを送るだけでなく、電話でのフォローが大切だという。 |
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自分の時間を大切にするKiwiのライフスタイルが好き。 |
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いつまでも残るので規模の大きな仕事が好き。 |
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CADは女性も多い職種。 |
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躊躇せずぜひ一歩踏み出して! |
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応募してみなければ始まらない
日本では構造設計士として働いていた本橋さんがワーキングホリデーでニュージーランドに来たのは2004年。語学学校に通ったり、GREATWALKと呼ばれる国内の主なトレッキングコースをすべて踏破したりするうちに、自然の素晴らしさやKiwiのライフスタイルが大好きになり、できればこの国で働いてみたいと思うようになりました。とはいえ、海外で役立つような職種でもないし、英語に自信もなく、きっと無理だろうなとあきらめ気分だった時、仲良くなった友人の一言が彼女の人生を変えました。「『なぜ無理なの? CVを出してみればいいのに』と事もなげに言われ、ああそうか、自分にも可能性があるんだと気づいたんです」それがきっかけとなって、『無給のインターンでかまわないので手伝わせて下さい』というメールとCVを作成。「働くチャンスがあり、仕事ぶりを気に入ってもらえたら雇ってもらえるかも、と思ったので求人の有無にかかわらず、同業種の会社を検索して手当たり次第に送りました」
仕事と学校の両立でスキルアップ
そうやって何十通も出したメールのうち、唯一連絡をくれた会社から採用された本橋さんでしたが、ニュージーランドと日本の専門用語の違いなどを知るためオークランド大学へ。「フルタイムで働きながらだったので、午前中大学に行ってその分夜は遅くまで働き、土日は課題をこなす・・・という生活は本当に大変でした。ただその甲斐あって知識も増えたし、英語の専門用語も理解できるようになったので満足しています」しかし4年半ほど経った頃からさらなるスキルアップを目指して転職を考えるように。仕事をしながら求人サイトを毎日チェックして応募、という日々が半年以上続きました。Kiwiの同僚たちはどんどんいい会社に移っていくのに、自分だけ転職先が決まらずに落ち込んだり、自分のほうがスキルは高いのになぜ? という気持ちもあったそうです。「でも求人サイトを見ているうちに、ニュージーランドやオーストラリアではRevitという新しい3D-CADの需要が高いことを知り、私もRevitを使えるようになりたいと思いました。独学だと面接の時のインパクトが足りないと思い、短期で学べる学校を探しました」そうして会社帰りにUnitecの夜間短期コースに通い始めた直後、リクルートエージェントからBecaとの面接話が舞い込んできたのです。
入念な準備で面接に臨む
「スカイタワーやオークランド空港などの建築でも知られるBecaは以前から働いてみたい会社のひとつだったのです。面接のチャンスすらなかったので、話をいただいた時はとても興奮しました。絶対にこの面接を成功させたかったので、自分のやりたいこと、できることを英語できちんと伝える練習はもちろん、Revitが使えることをアピールするために、習い始めたばかりのRevitで3D建築物を作り、その図面を持って面接に臨みました」その後なかなか返答が来なかったので、待っている間に別の会社の面接を受けたところ、すぐに採用の連絡が。小規模ながら橋や高速道路の構造設計をしているその会社は、日本で新幹線や鉄道の橋脚や高架橋の耐震構造設計をしていた本橋さんにとって、とても魅力的な仕事内容でした。「結局Becaからも正式なオファーを受けたのですが、それまで半年以上どこの面接にも受からなかったのに、同時に2つも仕事が決まるなんて、就職活動はタイミングも大きいと思います」
互いが助け合うゆとりのある職場
現在はオークランドの本社でオークランド大学のリノベーションやAUTの新しいビル等を担当。2010年度のカンパニー・オブ・ジ・イヤーを受賞した企業だけあって申し分のない職場環境だそうです。「この業界は日本だと残業が当たり前になっているのに、ニュージーランドでは週40時間を前提にしているので、スケジュールの組み方に余裕があります。そのせいか同僚をヘルプしたり休みを調整したりして協力し合う気持ちのゆとりがありますね。上司もみんながハッピーでいられるように、いつも気遣ってくれていますし、今の職場に不満はまったくありません。みなさんのレベルが高いので、今はとにかく他人からどんどん学んで、少しでも追いつけるようになりたいです。」
ニュージーランドは何ができるかで評価してくれる国
とにかく努力の人という印象の本橋さんですが、「私がやったことは誰にでもできるはず」と言います。「『なぜ無理なの?』というあの一言がなければ、思い切ってCVを出してみるという行動には出なかったと思います。ワーホリの時は英語も一番下のクラスでしたし、その頃作ったCVは今見ると恥ずかしいような内容です。でもこの国では年齢も性別も国籍も関係なく、何ができるかで評価してくれます。だから自分ができることがちゃんと見せられれば大丈夫。私も最初は緊張して面接も全然ダメでしたが、何度もやっていくうちに、『自分にはなにができて、なにがやりたいのか』ということを考え、飾らず本音でぶつかったらうまくいくようになりました。チャンスがない時もあきらめずに、ぜひみなさんもチャレンジしてほしいと思います」

和気あいあいの職場。英語圏ならどの国でも仕事を見つけられる自信がついた。
この記事を読んでCADテクニシャンに興味があるという方、留学をお考えの方は、下記のお問い合わせよりイーキューブのキャリアアップ留学センター「イースクエア」までご連絡ください。
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