6月のある日何気なくTVをつけたら、キウイっぽい日本人女性がお好み焼きを作っていた。彼女は誰? と思っていたら、そのうちに新聞やタウン誌、料理雑誌などに数多く登場。野村祥恵さんがその人。日本のごくふつうの家庭料理を楽しみながら習ってもらおうと開設したお料理学校Sachie's Kitchenの主宰者だ。
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3ヶ月に1回はホリデーに出かけてリフレッシュ |
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生徒用のキッチンは用途によって動かせるようになっている。 |
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クライアントの要望を聞いてカスタムメードの教室をすることも多い。 |
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ニュージーランド生まれの夫、Nickは大切なビジネス バックボーン |
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KIWIのビジネスを社会経験から学ぶ
高校を卒業した時、両親が「英語を勉強しに海外へ行く?」と言ってくれました。大学に行く気は全くなく、就職するつもりでいましたから、留学のオプションには即、乗りました。最初はアメリカに行こうと思いましたが、たまたま知り合いがニュージーランドのパーマストンノースに住んでいたので、ニュージーランドに来ることになりました。
まずはオークランドにある語学学校で一般英語コースに入り、英語を勉強しました。最初は全然しゃべれなかったんですよ。でも、そこで勉強して10ヶ月たった時、力試しに試験を受けたら受かってしまったので、オークランド大学に入学することになりました。
大学では言語学と中国語を学びました。両親とは2年、の約束だった留学でしたが、結局その倍の期間になりました。
卒業後は、日本ではなくニュージーランドで旅行会社に就職。オペレーターとしてスタートしましたが徐々に昇格していきました。NZの永住権も取りました。その会社には7年勤めてマネージャーにまでなって、それ以上向上する道がなくなったと思いましたから、その会社をやめてスタンフォードプラザ・ホテルの営業職に転職しました。そこには2年いましたが、そこでニュージーランドでの企業相手のビジネスのやり方、特にコミュニケーションのとり方を学んだと思います。その経験が今、Sachie's Kitchenを運営していく上で大きなプラスになっています。
手軽さを重視した料理教室
ニュージーランドで生活した10年ほどの年月のうちに「KIWIの人たちは、日本食、おすしなどが好きでよく外では楽しんでいるが、家で作るには何をどこで買って、どうやっていいのかわからないと、恐れをなしてしまうようだ」ということが分かりました。日本の家庭料理は本当にシンプルで、ニュージーランドでも気軽に家庭で楽しめるものなのに、それは惜しいことだと思いました。そこに大きなニーズを感じました。そこで出てきたアイディアがSachie's Kitchenです。
私は特に料理を学んだり、修業したというわけではありません。ふつうにお母さんや親戚のおばさんが作る家庭料理を見よう見真似で身につけた程度です。ニュージーランドに来てからは日本料理屋のシェフとフラットシェアーしたり、友人が板前さんだったりしたので、彼らからもいろいろ料理を教わっていました。
Sachie's Kitchenのレシピのモットーは「手軽さ-accessability」です。たとえばみそ汁の作りかたを教えるのに、ダシの取り方からではなく、気軽にダシの素を使います。つまり、現代の日本のふつうの家庭で行われているような、簡単でおいしいクッキングを紹介するのです。だって私の教室に参加した人たちに、それを家で作ってもらいたいですからね。私は本格日本料理のプロではありませんから、いわゆるホンモノにはこだわる必要はないのです。生徒さんに「サーチに教えてもらったアレ、家でよく作るよ」と言ってもらえると本当に嬉しいです。
ゴールセッティングのすすめ
ニュージーランドのビジネスのやり方で学んだことの中に、ゴールセッティングというものがあります。ニュージーランド生まれの私の夫、ニックはもともとその「目標を定める」ことをとても重要だと考えていました。例えば1年後の私はどうなっていたいのか、ゴールを決める。イメージする。それがとても大切。
何かやりたいことがあるとき、それを思っただけで60%実現するとしたら、それを口に出して誰かに言うと70%に上がり、100回繰り返して言うともっと上がり、さらに書くと95%に上がるというのです。私はあるとき、まさかと思いながら日記に1年後の私の姿、として5つのことを書いたことがありました。婚約する、結婚する、海の見える3ベッドルームの家に住む、新しい仕事を見つける、自分のビジネスをはじめると。驚いたことに1年後、それがみんな実現していたのです。
そんなこともあったので、私はSachie's Kitchenを立ち上げる時、紙にその目標をチャートにしました。それが2010年の1月26日付、オリジナルビジネスプランです。その紙は今、額に入れて教室の隅に飾ってありますが、もともと3年後の私の姿を想定してこうなればいいと書いたことが、今、怖いほどに次々と実現しています。たった1年でですよ。そろそろプランをアップデイトしなくちゃいけないと思っているところです。
食べ物を通して日本とニュージーランドの架け橋に
いくつかTVショーに出演したり、雑誌などにもたくさん紹介されて、今はとても忙しくしています。企業の社員厚生イベントとしてのクッキングクラスや、黒帯コースの料理教室は、おかげさまで大盛況しています。特に企業イベントとしての教室は人気で、皆とても楽しんで帰って行きます。参加者の競争心をあおって(?)ゲームを取り入れたりしますよ。例えば、わさびたっぷり入りのおすしを使ったロシアンルーレットとかね。
それから、私のTVショーシリーズの話が決まりそうです。もしも決まったら、その番組作りや撮影なんかでもっと忙しくなりそう。そんな風に、今のところ、私の人生はめいっぱい100%が仕事ですが、楽しくてたまりません。
近い将来の計画としては、KIWIのグループを日本にグルメツアーに連れて行って、食べ物を通して日本とニュージーランドとの架け橋になれたらいいです。さらには、ニュージーランド人が持つ仕事が優先でなく家族が優先の、肩の力を抜いたライフスタイル、を日本で紹介するようなことができたらいいと思います。それを具体的にどうすればいいのかまだ分かりませんけれども。
この記事を読んで野村祥恵さん、Sachie's Kitchenに興味のある方、また料理、調理師の勉強や留学をしてみたい方は、下記のお問い合わせよりイーキューブのキャリアアップ留学センター「イースクエア」までご連絡ください。



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