Vol.103 Career up in NZ 1 ニュージーランドの自然療法医・西洋漢方医 |
ニュージーランドの健康雑誌の調査では80%以上の人が補完代替医療を利用しているという。なつめラインズさんが携わっている「ナチュロパシー」もその中の一つに入る。病気に対してのみのアプローチだけではなく、その一歩手前から病気を予防、健康を保つということも含まれるこの療法は、多くのキウイたちが毎日の生活の中に取り込んでいる。現在はティティランギのQuintessenceというクリニックで自然療法医・西洋漢方医として活躍している。
【Profile】
なつめラインズ
東京都出身。日本では英語教育に携わる。ニュージーランドにおいても日本人の留学生のサポートをしていた。現在はティティランギのQuintessenceで自然療法医・西洋漢方医として活躍。
Quintessence:402c Titirangi rd Titirangi
09-817-1530
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ニュージーランドだからこそ学ぶ機会がある
瞳孔テストでは3世代前までのことがわかるという
通常の血液検査とは異なるテスト。実際に自分の血の状態を目で見ることもできる。
一見すると普通の薬局だが、よくみるとナチュラルプロダクツが並んでいる
ハーブの調合はメディカルハーブの専門家としての腕の見せどころ
将来はこのマシーンも自分で調整したいという
日本にいた頃から自然医学に興味を持っていました。しかし、大人がもう一度ちゃんと勉強してみたいと思ったときに、その機会も環境も少ないため、横目で見ているだけでした。
結婚後、夫の母国であるニュージーランドに来て、子育てをしておりましたが、その際にできる限り薬に頼らず育てていきたいということもあり、思い切って「The South Pacific College of Natural Therapies」に通い、ナチュロパシーを学んだのです。
ナチュロパシーというのは、自然医療の百貨店のようなものです。ハーブ、ホメオパシー、食事、栄養素、カウンセリングといった様々な自然療法システムだけでなく、薬学、生理解剖学、病理学、化学、臨床学なども学びますので、フルタイムで通うとしたら3年かかるコースですから、パートタイムの私は4年をかけて卒業しました。子供のことやその他のことと同時進行の勉強でしたので、時間の調整には気を使いましたが、学校も周りの環境も協力的なのは大変ありがたいことでした。新しいことを始めるのに年齢は関係ないというニュージーランドの気質があったからこそ、こうした勉強ができたのかもしれません。
「なんとなく」をクリアーにする
人間の体が持っている自然治癒力を高めながら、患者さんが抱えている問題の根底までさかのぼるのがナチュロパシーです。例えば、「なんとなく体が疲れている」といった場合、いわゆる西洋医学ではどんなに検査しても原因がわからないことが多々あります。それは検査の数値が示すものが正常になっているため、その症状がまだ「病気」というカテゴリーに入っていないということもあります。
「髪の毛によるアレルギーやビタミン・ミネラル状態のテスト」「血液の状態を見るテスト」「瞳孔の状態で健康状態をみるテスト」など、そしてカウンセリングを通じて、そういった健康状態を探ります。瞳孔の状態をみるIridologyでは、瞳は体の地図であると考えています。その形や状態を診ることで、ホルモンバランスや痛みが出やすい箇所、ダメージを受けやすい臓器がみえてきます。またそれが遺伝的なことなのかどうかというのもわかるのです。
血液の状態をみるテストでは、通常の血液検査では分からない部分にもフォーカスしますので、病気になる前の症状がわかるのです。「病院では何も言われていないのに、なぜか体が疲れる」といった症状はまさにこうした「一歩手前」の典型なのかもしれません。
クライアントとの二人三脚
ナチュロパシーではこうした症状に対して体の栄養バランスを重視しながら、回復させていきます。私は現在、ティティランギにある「Quintessence」という薬草を中心に自然療法の商品を扱っている薬局内でクリニックを開いています。そこでは食事のプランの提供をしたり、ネガティブな思考は悪いホルモンを出すため、時には思考の仕方もアドバイスしたりします。私の場合はメディカルハーブも専門としていますので、それらを調合してクライアントさんの自然治癒力の向上のサポートもします。ここはニュージーランドですから、血液に関係するkawakawa、肺などにはkumerahou、痛みを緩和するpukatea、消化を助けるhoheriaなど、マオリのハーブも入っています。いずれにしましても自然のものになります。
私はクライアントさんによく「運転するのはあなたで、私はそのナビゲーターです」と話しています。これは自分自身の持っている自然治癒力を使って心も体も健康にするナチュロパシーの考え方を表す言葉の一つです。私のところにただ「来る」だけではなく、患者さん自身も健康に対してアプローチしていくことが必要になります。それだけに、結果が出てくると、私も患者さんも心から喜びを感じることができます。
この療法は私自身も長く続けていくことができる、まさに自然と調和した方法ですから、今後も、多くの方に実際に体感し、喜んでもらいたいと思っております。
この記事を読んで自然療法医・西洋漢方医に興味がある、この分野で留学したいという方は、下記のお問い合わせよりイーキューブのキャリアアップ・センター「イースクエア」までご連絡ください。

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