Malcolm Randsエコ活動のリーダーでいたい eco STORE Cheif Exective
ビクトリア公園に隣接するオークランドのトレンディーなエリア、フリーマンズ ベイの一角に、パステルブルーのお洒落なエコストアがある。有害物質や不必要な物質を使わないナチュラルエコ製品を幅広く展開している。環境保護と人間の健康にこだわる会社の姿勢は多くの支持を受け、ビジネスは絶好調だ。そのエコストアの創始者で社長のマルコム・ランズ氏に、成功の理由を聞いた。
【Profile】
Malcolm Rands eco STORE Cheif Exective マルコム・ランズ
1954年8月21日生まれ。環境保護活動歴25年のエコ専門家として、ニュージーランドとオーストラリアのTVやラジオにたびたび出演。環境省やオークランド市などからその活動をたたえる賞を数多く受賞した。最近、都市部にもエコビレッジを造ることを推奨する非営利団体FAIRGROUND FOUNDATIONを立ち上げ、建築家やタウンプラナー、建材業者などに働きかける。趣味は音楽。奥さんと2人の娘、めいも参加のFamily Bandでキーボードを担当。時々パーティーやパブなどでライブ演奏をする。
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白黒の芸術写真をつかったユニークなパッケージ。 |
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日本にも将来進出したいと思っている。 |
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必要の無い物質は一切使わない主義 |
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南オークランドに自社工場で製品の90%以上を研究開発、生産している。 |
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オフィス、店に20名、工場に約40名のスタッフがいる。 |
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エコ活動のリーダーでいたい
「これはね、空いたプラスチック容器を切断して、新しい容器を作る原料にするマシンなんですよ。」
店の隅に置かれた奇妙な形の機械。洗剤の空き容器とバケツに半分ほどの細かいプラスチックチップとを持ってきて説明してくれた。
「現在ニュージーランドで実際にリサイクルのプラスチックを使っているのはたぶん、エコストアだけ。皆、リサイクルの重要性は分かっているんだけれど、それをなかなか活用しようとしないでいる。だって、環境保護のため、という形のない目的はビジネスに直接利益をもたらさないでしょう? リサイクルプラスチックで容器を作るための工程を整えるのに高額のお金がかかるのに、リサイクル容器のコストは新品とほぼ変わらない。というわけで、何もわざわざリサイクル利用しなくてもいいんじゃないか、ってことになるんですよね。でも、これはエコストアのエコ・イニシアチブなんですよ。いつでもエコ活動のリーダーでいようという会社の姿勢です。だから、アジア、オセアニア地域で、真っ先にリサイクルプラスチックを使い始めました。」
大学はドロップアウトだが、、、、
「私の家族はアイルランドとイングランドから南島、カンタベリー地区に移住してきました。私は幼少期をウェリントンで過ごし10代のときにオークランドに引っ越してきました。私の父方の血筋にはちょっとした技術科学者としての歴史があって、祖父、Henry Randsはニュージーランド初の産業科学者でした。Lord Rutherford(100ドル紙幣の化学者、ノーベル化学賞受賞)と一緒に研究していたこともあるんです。父も技術者で、電気技術と機械技術の両方の学位を持ち、エアコンディショニングの専門家として世界を駆け回っていました。私もオークランド大学でエンジニアリングを勉強。でも、プロのロックバンドに入って演奏活動が忙しかったので大学は1年でドロップアウトです(笑)でもね、世界でトップ100に入るビジネスマンの多くはドロップアウトなんですよ。ビル・ゲイツでしょ、サム・モーガン(Trade Me創業者)でしょ? 皆成功していて、学位を持った優秀な人をいっぱい雇ってる!(笑)
それから、23歳のときに2年間の海外旅行に出ました。それは人生で一番いい勉強だった。特に最初の数ヶ月過ごしたオレンジ・カウンティーでの経験は今の私に大きく影響しました。美しいカリフォルニアの海辺の家を冬の間に夏場の10分の1の家賃で借りて住みました。
エコビレッジからエコストアへ
「ニュージーランドに帰ってきてしばらくアート関係の仕事をしていましたが、その仕事でノースランドに住みました。そこで会った仲間と1986年にニュージーランド初のパーマカルチャー・エコビレッジを立ち上げました。パーマカルチャーというのは、オーストラリアから発祥した国際的な運動で、自然に育つ植物や野生の動物だけでそこで暮らす食料をまかなっていこうというアイディアです。つまり、畑を耕したり、作物の世話をするような人の労力を全く加えなくても自然の力だけで食料供給レベルが維持されていくエリアを作って、採集と狩猟のシンプルな原始生活に戻るのが目的。私たちのエコビレッジは海岸近くの150エーカーほどでしたが、背後が国立公園に指定されている区域だったのでビレッジに流れてくる水はピュアそのものでした。だからビレッジから出て行く水もきれいなままにしたい、と思った。そんな気持ちがエコストアの起源となりました。」
メールオーダーからスタート
1993年、エコビレッジの家の地下の小さな倉庫から、自然の原料だけで作った洗剤やスキンケア製品をメールオーダーで販売開始。製品のエコ・フレンドリーさ、ヘルシーさが多くの人にアピール。顧客も増えビジネスはどんどん大きくなりました。1997年に現在の場所へ移転。
「たった15年前のことですが、当時のこの辺は工業地帯で、タンクがあったり、隣は車の修理工場だったり、騒がしいエリアでした。この建物は古い倉庫だったんです。ここに、7歳と10歳の子を連れてきて倉庫の奥に住んでメールオーダーのビジネスを続けました。」
そして2000年、もっと多くの人に容易に製品を手にしてもらおうと、スーパーマーケットに進出した。
「メールオーダーだけだったときはどうでもよかった製品のパッケージが、市場に進出することになって急に重要になりました。その時、友人の写真家や、デザイナーが力を貸してくれてエコストアのユニークなパッケージ、イメージが出来上がりました」
現在、エコストアは衣料洗剤、台所洗剤、スキンケア、ペットケア、ガーデニング用品など100種類以上の製品を展開。ニュージーランドだけでなく、オーストラリアやアメリカのスーパーマーケットにも卸している。また、香港、シンガポール、韓国には、エコストア支店が。
エコでヘルシーなのが多くの人に受けた。
「ビレッジから製品を販売し始めてしばらくした1994年ごろ、国内外いろいろなところから、電話や手紙で、‘エコストアの製品を使うようになってから、喘息の症状が出なくなった’‘湿疹が治った’などのコメントが来るようになりました。環境保護を頭において作り出した製品だったのに、それが人間の健康にも有益だ、ということが分かったのです。それからというもの、人間の健康にも重点をおいて製品開発をするようになりました。そして16年間ずっとエコでヘルシーの両方を掲げてきたのです。それがエコストアが成功した最大の要因だと思っています。」
この記事を読んで、エコやビジネスに興味がある方は下記のお問い合わせよりイーキューブのキャリアアップ・センター「イースクエア」までご連絡ください。

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