Red Lions 報徳学園ラグビー部 ニュージーランドでラグビーを体験するという事
7月24日から8月2日までオークランドでラグビー合宿を行った報徳学園ラグビー部。15歳から18歳までの3学年、総計74人ものラグビープレーヤーが日本の夏休みを利用してニュージーランドで体験したラグビーとニュージーランドでの生活を現地レポーターが報告します。
【Profile】 報徳学園: 兵庫県西宮市の私立男子中学・高等学校。野球、陸上で有名選手を輩出するなどスポーツで有名な一方、進学指導にも力を入れている、昨年で創立100周年をむかえた名門校。ラグビー部の総部は昭和27年(1952年)。今年で創部60年。日本代表選手もOBに多い。全国大会の花園常連校。愛称はRed Lions。 ←ワイカトスタジアムでスーパー15の準決勝戦を観戦。オールブラックスの選手を生で見て大満足。
ラグビー体験+生活・文化体験
報徳学園ラグビー部は三年に一度はニュージーランド遠征を行い、高校在学中に一度はニュージーランドに行けるということで各部員が入部からこの遠征を楽しみにしています。三年生は過去二年間この遠征を待っていた事になります。 関西空港を7月24日午後7時55分、NZ98便で飛び立ち、オークランド空港に到着したのは翌朝8時55分。約11時間のフライトでしたが、日本の蒸し暑い夏を逃れて、季節が逆のニュージーランドの冬の空気に触れて部員全員がホッとしたのではないでしょうか? この遠征はニュージーランドのラグビーを体験するだけではなく、ニュージーランドの生活・文化を体験するという教育的な意味も込めた遠征です。ラグビーではオークランドラグビー協会所属のコーチから直接ニュージーランドラグビーのエッセンスを注入してもらったり、現地校と試合をしたり、また、ちょうど遠征中にスーパー15の準決勝がハミルトン(オークランドから車で約2時間のニュージーランドで4番目の都市)で開催された事もあり、生のナイターでのラグビーを観戦したりと日本では体験できないラグビー三昧の内容です。また、生活・文化体験ではよく合宿だとありがちな、ホテルやモーテル宿泊ではなく、ニュージーランドの生活に触れさせるため、ホームステイを選択しました。ホームステイファミリーの中には大のラグビー好きも多く、日本のラグビー選手が来るというので、楽しみにしていたというところも少なくありません。ただ、部員たちとの会話は英語ですから、どのくらい意思疎通ができたのでしょうか?各部員は本当に大変だったでしょう。 たくさんのラグビーワードを覚えた
オークランドラグビー協会からは4つに分けた地区の強化担当コーチ3人が来てくれました。普段の彼らの仕事は自分の担当する地区の高校から優れた選手を発掘する事やコーチング、怪我の防止など「正しい」ラグビーの普及をする事です。 今回のニュージーランド遠征の目的の一つにディフェンス強化がありました。花園常連校でもある報徳学園ラグビー部ですから、ディフェンスには自分たちの考え方があり、実際に3人のニュージーランドコーチによるアドバイスはちょっと受け入れにくい部分もありました。しかし、この遠征ではニュージーランドラグビーのエッセンスを吸収する事でしたので、また別の考え方もあると理解して、ニュージーランドのコーチたちのアドバイスを受け入れてみました。とは言うものの、ラックやモール時のディフェンスで、Rock(ロック)、Action(アクション)、Leader(リーダー)と名付けたディフェンスのポジショニングには新しい発見がありました。これは何度も反復練習しました。3人の中のヘッドコーチが再三力説していたのは「ディフェンスには3つの大事な要素が必要になる」という事でした。それはTackle Technique(タックルテクニック)、System(組織)、Attitude(態度、気持ち、やる気)でした。Attitudeは鍛える事ができない、コーチとして最も難しいテーマだと言っていた事が印象的でした。 また、アタックもニュージーランドの高校代表レベルが採用しているTractor(トラクター)、Red(レッド)、Air Plane(エアプレーン、後にシェーンと変更)、Chill(チル)と名付けられたアタックの考え方とその方法も目からウロコが落ちるとはいかないまでも、新鮮なアドバイスに思えました。 これらのアドバイスを日本に帰って実際に使うかどうかは自分たちで決めればいい事です。一つの選択肢としてまた別の考え方もある事を知る事も大切です。
ホームステイの意味
部員の74人は34件のホームステイに分散しました。あるホストファミリーは3人、4人と部員を受け入れてくれました。今回はノースショア地区にある、マオリの学校Hato Petera Collegeのラグビーグラウンドをお借りしました。ホームステイファミリーによっては毎日送り迎えしてくれるところもあれば、自力で市営バスに乗って行き来しなければならないところ、距離的にそう離れていないので徒歩で行き来できるところと、ホームステイとグラウンドの往復の方法は様々でした。市営バスに乗らなければならない部員はファミリーから家の近くのどのバス停で乗り、グラウンドの近くのどのバス停で降りると詳しく、ゆっくり、地図を書いてもらって、バス乗車を実践しました。土日になるとバスの運行本数も減って、平日と同じ時間には来ることができない事も知らなかったのにも関わらず、すべての練習日6日間、練習時間に遅れて来た部員は誰もいなかったのが驚きでした。各部員はホームステイでどんな会話をしていたのか、見ていないので分かりませんが、身振り手振りで今まで勉強して来た英語を総動員していたに違いありません。 特にスーパー15の準決勝戦をハミルトンに観に行った日は、オークランドに戻って来たのが夜の11時頃。その時間はもう市営バスは運行を終えています。ほとんどの部員はタクシーを呼び、運転手に自分の住所を書いた紙を見せて帰宅しました。全員無事に帰れた事は、翌日の練習に全員集合時間に遅れる事なく集まれた事で証明されました。 この時期の学生のニュージーランド滞在は、夏の日本から冬のニュージーランドにやって来るため、必ずと言っていいほど風邪をひく人が出るものです。しかしながら、この遠征ではみんな健康でした。冬のオークランドは雨が降りがちです。練習中も試合中も雨に悩まされたのですが、ホームステイで暖かいシャワーと美味しくたっぷりな量の食事を出してもらったので毎日が快適だったのではないでしょうか?
Hato Petera Collegeとの試合のあとの合同写真。ニュージーランドでの試合のいい記念に。
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