「英語が大嫌いでした。つい最近まで現在形と過去形の違いも知らないほどで、Helloが言えれば上出来、学生のときに英語の勉強をしようと思ったことは一瞬たりともありませんでした。そんな私が海外に出ようとした理由は英語。喋れるようになりたいと思ったんです。
父がハワイアンのバンドをしていた影響でしょうか、好きな音楽がハワイアンで趣味はウクレレでした。それでハワイに何度も渡航するようになりました。そうしてる間に「やっぱり話ができるようになりたい」と思ったんです。
それで思い切ってニュージーランドに来ました。この国はハワイと同じポリネシアンの文化があると聞いていました。マオリの人たちです。私もそれに触れてみたいと思ったんです」
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ワーキングホリデー:斉藤 綾子 さん
カイコウラと書いてあるだけで、その商品が欲しくなるくらいのカイコウラフリークです。
1973年生まれ。神奈川県藤沢市出身。日本デザイナー学院インテリア科卒業後、茅ヶ崎の雑貨店で店長として働く。
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綾子さんがオークランドに到着したのは01年5月。そこでホームスティをしながら約4ヶ月英語学校に通った。
「学校を卒業して友人とふたりでニュージーランドを一周しようと、旅行を始めました。
日本にいたときガイドブックを見て興味を持ったところが二ヶ所ありました。1つはロトルア。マオリの文化が根強く残っている場所です。そしてもう1つがワーキングホリディのほとんどの時間を過ごすことになったカイコウラでした。
旅行の途中でカイコウラに来たときに、私の住む場所はここしかないと直感しました。約2ヶ月でニュージーランドを周り終わってからすぐに戻りました。私はここで
仕事を探すことにしました」
仕事の探し方はCVを持って一軒一軒飛び込んで行き、話を聞いてもらうという方法であった。
「日本では雑貨店で働いていましたのでラッピングの技術には自信がありました。ここでもその技術が活かせる店で働ければいいなと思って、ギフトショップを中心に周りました。でも全然反応はありません。それで、次に働けそうなところを片っぱしからあたることにしました。
その甲斐あってか、イルカといっしょに泳ぐツアーを催行している会社でウェットスーツ洗いの仕事が見つかりました。それと同時に、どうしてもカイコウラに住みたいという私の希望を理解してくれたバックパッカーのオーナーがエクスチェンジをさせてくれることになりました。
仕事をする代わりに宿泊代はなしというエクスチェンジは朝9時20分からが仕事でした。キッチン、シャワー、トイレの掃除、そしてベッドメーキングなど約2 時間かけて一通りのところを片付ける。通常のエクスチェンジの仕事はここで終了、後は自由になります。でも私は自分の英語の勉強がしたかったので、ウェットスーツ洗いの仕事がない日はレセプションの手伝いやその他の仕事を手伝いました。隣にできる新しいバックパッカーの改装工事でペンキ塗りや大工仕事もしましたよ。もちろんその給料はもらってませんよ。
受付に入ってお客さんや他のスタッフと色々な話をしていくなかで、私なりの話のきっかけを作る方法を見つけました。
それは『何色がすき?』と問いかけることでした。
相手が好きな色を答える。すると私はその色の折り紙でクジラを折って『はいどうぞ』と渡す。それが私のキッカケをつくる方法でした。これなら言葉が少々下手でも大丈夫。
もともと、空いた時間に折り紙でクジラやイルカを折って、それをバックパッカーのいたるところにディスプレーしてたんです。流木と組み合わせてモビールをつくったり、壁に貼る大きな地図を作ってそこに折り紙を貼りつけたり、バックパッカー中に私の折り紙を飾って、飾る場所がなくなったので今度はみんなに配ることにしたんです」
日本を出るときに持って来た折り紙は300枚。それはすぐに使い切ってしまったため途中で何度か送ってもらい、結局ニュージーランドで使用した折り紙は1000枚以上になると言う。
「最初のうちはクジラを作ってあげると言ってから、折ってたんです。そうしているうちに問題が出てきました。みんな青色系の色を欲しがるんです。そこで私が考えたのが、いきなり好きな色を聞く、そして黙ってクジラを折って、ハイどうぞ。
バックパッカーのお客さんが『今日クジラを見てきたよ』と言ったら、じゃあその記念にといって折る。カフェやレストランで注文を待っているときも折る。隣の席に子供がいたら折って手渡す。カイコウラの街中、私の折り紙でいっぱいにするつもりで折ってましたよ。
まあ、それは冗談としても『折り紙を折る日本人』としてみんなに覚えてもらいました」
綾子さんのビザは02年の5月で終わる。しかし今年の夏に再びカイコウラに戻ってくると言う。
「私は自称カイコウラフリークです。あの街が好きで好きでたまりません。お店で売っているものでも、カイコウラと書いてあるだけで、その商品が欲しくなるくらいです。
生まれ育った藤沢市、好きで通ったハワイ、そしてこのカイコウラ。三つに共通していることは水着に短パンのままで歩けることです。
カイコウラに初めて足を踏み入れたときに直感でここが好きだと思い、実際に住んでみてそれを確認しました。バックパッカーの仕事も好きだったので手伝っていました。それが結果的に新しいアルバイトをオーナーから紹介してもらったり、地元の人の結婚式に呼んでもらったり、色々な経験をさせてもらいました。
それで、今年の夏にはまた戻ってこようと思っています。オーナーに次の夏も働きたいという話をしたら『じゃあ戻っておいで』といってくれましたので、今度はサーフボードを持って戻ってこようと思っています」
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