Vol.67 自由時間 永住権目指してニュージーランドへ料理学校留学 |
日本では、大学を卒業後そして結婚後もお子さんが生まれてからも、朝から晩までほとんど毎日休みなく働いていたという光春さん。30代を迎えた今年、 ニュージーランドでノースショア料理・ホスピタリティー専門学校の学生としての生活をスタートさせた彼に、今までや現在の暮らし、そして将来への思いを 語っていただいた。
英語環境での調理学生生活スタート この4月、ノースショア料理・ホスピタリティー専門学校 (以下NSIA) のプロ調理師・資格コース (National Certificate in Professional Cookery Level 4) に入学した坂田光春さんは現在1ターム目で、平日月曜日から金曜日まで講義を中心とした内容の授業を受けている。決まりきったテキストブックはなく、そのつど教師が内容に見合った資料を用意する。授業ではロールプレイディスカッションなどのほか、衛生管理などの専門的なことも学ぶ。ユニークな課題なのが、 5人くらいの1チームで架空のレストランを作るというもの。そのレストランでのコンセプト、役割分担、メニューや料金を考えたり、レストランというものが どのように成り立っているかを研究する。料理人として以外に、ビジネス、ホスピタリティなどさまざまな観点からレストランを眺め、実技だけではなく分析力、協調性なども養う。
「生徒も学生もみんな明るくてフレンドリーなので、授業中もとてもいい雰囲気です。僕の先生は、長年プロの料理人として活躍していた女性で、とても元気でパワフル。それでいて、生徒に対しては細かにコミュニケーションを取ってくれる。英語の得意でない留学生と話すことにも慣れているというか、すごく丁寧に会話をしてくれるしとても親切です。クラスメイトはとても国際色豊かで、キウィの生徒のほか10カ国の生徒が一緒に勉強しています。年齢も幅広い。やっぱり貴重だと思うのがネイティブの生徒がいること。もし英語学校に行っていたら、キウィはまずいませんよね。でもここは ネイティブも通う専門学校だから、授業時間以外の彼らとの会話もとても勉強になります。自分より10歳くらい若い生徒ともたくさん話しますけれども、国籍は関係なく、人生の先輩としてのプライドが湧き立つこともしばしばあります。”オレが負けてるのは英語だけだ!今に見てろ!“ってね。」 「料理と英語って、すごく共通してる部分があることに気付きました。どちらも、上達させるポイントはボキャブラリーを増やすことだと思うんです。まず基礎をしっかり覚えて、それを自分の身にすること。その後、シチュエーションによって、それらをどう組み立てるか。料理が上手い人、英語が上手い人、どちらも自分の引き出しをたくさん持っている人だと思います。」 子どもにとっての環境を考えニュージーランドへ
光春さんはすでに家庭を持っており2児の父。そんな光春さんが、いままで経験を積んできた仕事を辞め、これまで生活をしたことのないニュージーランドに来て学生になるまでの経緯はこのようなものだ。
「いろいろ移住について教えてくれる、移住の先輩方が周りにいることが非常に心強いです。自分で学校一つ探すにしたって大変です。その上、将来こうしたいから学校はこうでビザはこうして住まいは……なんてやっていたら、このように計画的にニュージーランドに来ることはできなかったでしょう。仕事は日本で並行して続けてましたし。去年の11月に面接等の試験のため一度学校を訪れましたが、結局、今年の4月に入学するギリギリまで日本で仕事をしていました。間を置かず、突然今までとは全く違う生活がはじまったので、最初は不思議な感じがしました。海外で調理学校の学生をするなんて、考えたこともありませんでしたから。リセットボタンをポンと押したと同時に、全てがリフレッシュされた感じです。」 まずはニュージーランドのシステムを知ること 将来、ニュージーランドで家族とずっと暮らすためには、第一歩として何が必要か。光春さんがまず考えたのは、ビザとパーミットのことだった。 「とにかく滞在するために必要なものを揃えなければいけませんでしたから。ただ学生ビザを持って学生をすることはどこの学校でもできますが、NSIAは地元の人も学んでいるNZQA(New Zealand Qualifications Authority ニュージーランド教育資格審議会)に認められている専門学校ですので、地元企業への就職にも有利だし、ワークパーミットへの切り替えもスムーズに行えると思ったんです。もちろんサティフィケートももらえるので、ワークのその先、永住権にもつながります。」 NSIAで就学することによって、もちろん 生徒本人には学生ビザが発行される他、生徒の配偶者やパートナーにはオープンワークビザ(どこででも働くことができ、IELTSのポイントやジョブオ ファーがなくても申請できるワークビザ)、生徒の子供など扶養家族には年齢に応じた必要なビザが受領可能。学校では仕事を探している生徒のために求人課も設置しており、いつでも相談にのってもらえるほか、有名なレストランやホテルなどでの仕事を紹介をしてもらうことができる。パートタイムジョブを続けているうちジョブオファーをもらい、卒業後はそのままそこで正社員として就職できる可能性も高い。 そして、NSIAのコースを修了した学生には NZQA認定のサティフィケート (レベル4) 資格が与えられる。サティフィケートなどの学位は、永住権申請の際、おおいに有効なポイントとして加算することができるため、しっかりと将来の計画をたてて入学してくる留学生がNSIAにはたくさんいる。 ここでニュージーランドの教育に関する仕組みを述べておこう。 ニュージーランドの大学 や専門学校では、コースによってNZQAに認可される一貫したレベルを設定しており、これが国家資格に相当する。この国家資格はとても分かりやすく設定されており、ニュージーランド国内のどこの学校で学ぼうとも、その履修科目を修了することによってレベル1からレベル8まで、順次に国家資格のサティフィケート、ディプロマなどディグリーといった学位をもらうことができる。このシステムの素晴しい点は、一度勉強を始めたら取り消されることはなく、また途中か ら勉強を続けることができること。例えば、何らかの理由で途中辞めたりするなどのブランクがあっても、学校に戻ることによって、いつでも以前学んだレベル からその勉強を再開することができる。 新しいことを学ぶゆとりがここにはある
ニュージーランドでは、子育てに一段落したあとや長年仕事をしたのちに、また学生生活をするといったことは、なんら珍しいことではない。その背景には、勉強をしたいと思った人々がいつでも積極的に学業を始められるように制定された教育システムがあり、ニュージーランド国民、市民権や永住権保持者は、学費としての手当やローンの活用が可能となっている。 ※NSIAでは、マフティ(一種の募金方法)によって集めた食料を、地元のサルヴェーションアーミー(Salvation Army)寄付することによる慈善活動もおこなっている。 調理師やシェフになるための留学をしたい、体験したい、資格を取りたい、この分野で仕事をしたいと言う方はイーキューブ留学セクション、イースクエアまでお問い合わせ下さい。 |