Vol.79 時代を飾るキウイ ボディケア製品リンデンリーブス創業者 |
透明なボトルの中に、バラやラベンダー、フルーツなどを封じ込めたボディオイル。日本でも人気のこの商品が、クライストチャーチで小学校教諭をしていた1人の主婦によって生み出されたことは、あまり知られていない。今では世界各国にネットワークを広げているLinden Leavesの創始者、ブリジット・ブレアさんにお話をうかがった。
クライストチャーチ郊外にある、Linden Leavesのシンプルな社屋。ドアを開けると、ニュージーランドを代表する女性実業家となった今でも社長室を構えることなく、一般社員とデスクを並べて働くブリジットの笑顔が出迎えてくれた。
西洋と東洋、新と旧のコラボで生まれたLinden Leaves
もともとナチュラル・ボディケアにはとても興味を持っていた私が、それを仕事にしようと思ったのは、子供たちが高校を卒業し、子育てに一段落ついた頃。当時はアンティーク家具の輸入を手がけていて、韓国に行く機会が多かったのですが、あちらでは自然の材料を使った質のよいボディケア製品をなかなか見つけられなかったのがきっかけです。美しく装うメイクアップ用ではなく、健康的で肌にもやさしいボディケア用品を作ってみたらどうだろうと思ったのです。もちろん南半球のニュージーランドから輸出するというのは、地理的なハンデもあって難しいとは思いましたが、上質の天然水をふんだんに使った、他にはないユニークな製品ですから、品質には絶対の自信がありました。
定番商品だけでなく、常に新しいことにチャレンジ
さて、ビューティーセラピーの分野では世界的な組売れ筋の商品は国や季節によってもずいぶん変ります。たとえば高温多湿の日本の夏はシャワージェルなどがよく売れますが、オーストラリアやニュージーランドなど乾燥している国では、一年を通してオイルや濃厚なクリームが人気です。ニュージーランド国内でも、オークランドとクライストチャーチではずいぶん違いますね。実際私もオークランドにいる時は、朝シャワーを浴びた後にオイルを塗れば1日中OKなのですが、クライストチャーチでは日に何度か塗らないとすぐ乾燥してしまいます。私自身、これなしでは旅行もできないほど、オイル中毒なんです(笑)。 ![]()
また、もうひとつの人気商品としては、24金の金箔を使った「GOLD」シリーズがあります。東洋では古来より美容目的としても使われる金箔ですが、西洋では富や愛の象徴として表わされます。この2つの文化を融合させたものが「GOLD」シリーズで、もう10年以上も続いているクラシックな商品です。 お金のためだけでなく、働くことを楽しみたい Linden Leavesを始めるに当たっては、最初から国際化を視野に入れていました。小さいブランドなので時間はかかりましたけどね(笑)。 ただ、この業界は有名ブランドの傘下に入らずに成功するのが非常に難しいので、そういう意味ではよくがんばったのではないかと思っています。国際化成功の秘訣は?と問われれば、ひとえに信頼できる代理店に恵まれたことでしょうか。最初は経済的な後ろ盾もネットワークもなかったので、大きな代理店にはあまり興味を持ってもらえなかったのですが、かえってそれがよかったのかもしれません。PRや製作、アートワークなどすべてを自社で行わざるを得ず、必然的にコミュニケーションを密にとりながら進めていくことができました。現在はアジアだけでなくアメリカ・カナダ・ヨーロッパ等にも代理店がありますが、手を広げすぎずに「正しい代理店」を選ぶことを重視しています。私たちが考える「正しい代理店」とは信頼関係。 ![]() ただお金のために働くのではなく、働くことを楽しみたいと考えているので、人間関係・信頼関係・コミュニケーションは非常に大切です。たとえば返事1つもらうために3回もメールしなければならない相手より、すぐに返事をくれる人のほうと仕事をしたいと思うのは当然ですよね。そういうことの積み重ねが、信頼につながっていくのだと思います。私たちは本社と代理店という一方通行の関係ではなくパートナーシップ、言うなればファミリーのような存在になることを理想としているので、お互いの相性をとても大事にしています。もちろんそのために、本社からもガイダンスやトレーニング、勉強会などをどんどん提供して、お互いが「率直に・自由に・頻繁に」コミュニケートできるような努力も欠かせません。彼らの成功は私たちの成功、そして彼らのプロブレムは私たちのプロブレムでもありますからね。
この仕事をしていて一番やりがいを感じるのは、やはり製品を開発したりマーケットを開拓したりして、新しい分野の扉を開けようとしている時です。たとえば最近で言うと、「GOLD」シリーズの製品がニューヨーク5番街の高級老舗デパートとして知られる「ヘンリベンデル」のトランクショー(新作コレクションの内覧会)に招かれたのはうれしかったですね。一流の舞台で世界に名だたる有名デザイナーの商品と肩を並べられることを、とても光栄に思っています。こうした大きな成功は、本社と代理店が一丸となってアイデアを出し合ったりして、お互いがうまく支え合っている時に訪れるような気がします。そしてやはりどんな時でも、信頼関係とコミュニケーションは欠かせない要素ですね。
毎年の目標に「もう少しゆっくりしたい」と掲げるほど忙しい日々なのですが、私生活と仕事のバランスがあまり上手にとれないのが悩みです。ちょうど今も締切り間際の原稿を抱えているんですが、なかなか書く気になれなくて…(笑)。会社を始めてからの14年間は子供も大きくなり、主人も歯科医の仕事が忙しくて、お互い仕事に没頭するにはちょうどいいタイミングだったように思います。でも今では私も孫がいる年齢になりましたし、両親も90歳代に入ったので、そろそろ私生活に重きを置きたいところですね。8月には夫婦でヨーロッパに行く予定があるので、とても楽しみです。仕事を兼ねて、ですけどね (苦笑) 。 美容・ビューティー関連の留学をしたい、就職をしたいと言う方はイーキューブ留学セクション、イースクエアまでお問い合わせ下さい。 |