転機となったアメリカズ・カップ
「LINE7」がニュージーランドでメジャーなブランドとして認知されるようになったのはアメリカズ・カップと関わるようになってから。
1991年に「LINE7」の権利を得て以来、すぐにアメリカズ・カップのウエアを供給しようと決めました。ちょうど92年にアメリカのサンディエゴでニュージーランドにとって3回目のアメリカズ・カップへの挑戦ザ・ニュージーランド・チャレンジがありました。それ以来「LINE7」はアメリカズ・カップに参加するニュージーランドのチームにウエアを供給しています。
次の大会、95年は同じくサンディエゴでした。チーム・ニュージーランドがヤング・アメリカを破ってアメリカズ・カップを奪取しました。これで「LINE7」のイメージアップに弾みがつきました。国を挙げてのサポートは「LINE7」の売り上げにも大きく反映しました。
2000年のオークランド大会はウエア供給に関する契約金が跳ね上がり、大きなリスクを背負ってしまったと感じました。しかし、結果的にチーム・ニュージーランドがアメリカ以外で初めてアメリカズ・カップを防衛した歴史に残るイベントでもあったのでニュージーランドの人達のみならず、世界中の観光客もチーム・ニュージーランドのウエアを買ってくれました。
そこで今度の2003年大会です。アメリカズ・カップはニュージーランドで行われる最も大きなスポーツイベントです。「LINE7」がチーム・ニュージーランドをサポートしないわけがありません。他のチームをサポートする世界中のスポーツウエアやヨットウエアを相手にチーム・ニュージーランドと一緒に戦いたいと思います。ニュージーランドは「LINE7」のホームグラウンドです。地の利を生かして有利に戦いを進められると思います。
生活の中に溶け込んでいる海が「LINE7」を作り出す。
「LINE7」のアイデンティティはニュージーランドのブランドであること。それが最上級のヨットウエアや海にまつわるカジュアルウエアを作る事になる。
ニュージーランドは最上級のヨットウエアを作るのにふさわしい国だと思います。それは、海岸線が長く海に近い生活をしている事、そのうえセーリングが生活の中で多きな位置を占めており、余暇をどう過ごすか、収入をどう使うかという事に海が大きく関わってきているからです。これらが本当の意味で海洋国を意味すると思います。オークランドは4世帯に一隻のボートないしはヨットがあると言われています。これほどの要素を兼ね備えた国は他にどこもありません。
また、セーリングの環境やスポーツへの関心が高い事もあげられます。ニュージーランドのヨットマンによる数々のヨットレースでの輝かしい記録は世界中でも有名です。また、ボートやヨットの建造技術も世界でトップクラスにあります。ですから、マリン業界が国を挙げた一大産業となっています。
つまり、ニュージーランドは「セーリングの超大国」なのです。人口も390万人でGNPもとてもアメリカに及びませんが、2000年にアメリカズ・カップを防衛した事は納得のいく事なのです。
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