Vol.96 時代を飾るキーパーソン WELLPARK COLLEGEアロマセラピー講師 |
自分たちの心身の健康管理をいわゆる西洋医学の対処療法だけでなく、代替医療に求める人が多いのがニュージーランド。そんな自然療法の総合学校であるWellpark College of Natural Therapiesのバーバラ・オールプレスは、有史以前より人類が使用している植物療法のひとつであるアロマテラピー(芳香療法)を教え、そして実践するニュージーランドの自然療法界の牽引車的存在である。
アロマテラピーとの出会い ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 現在、私はアロマテラピーに関わって17年、講師としては11年になります。学生のときは幼児教育の勉強をしていました。卒業後すぐに結婚し、そして専業主婦となりました。子育てしていく中で、自分の子供たちに抗生物質などを使いたくないと思っていました。そんな中で自然のものを利用した医療を探していたのです。最初はナチュロパシーという、人間の体が本来持っている自然治癒力を高めることで、心身の治療をしていこうとする治療法を学びました。ただ、当時はまだ、こうしたものは今に比べるとマイナーで、実践している人も少なく、また利用する人も今ほどの数ではなかったのです。 子供たちが育っていき、少し時間ができたときに、健康・美容関係の会社で働き始めました。そこで、パヒュームのマーケティング部門に席を置き、香りに関わりはじめたのです。そしてちょうどその頃にアロマテラピーの勉強も始めました。イギリス人で、現代アロマテラピーの基礎を築いているロバート・ティスランドというカリスマ先生がいるのですが、私が学んだのはその直弟子の先生でした。 最初の活動は製品つくり アロマテラピーを学び、知識と技術を身につけて、いよいよ活動をしようとしたとき、私が取り組んだのは製品開発でした。当時はまだアロマテラピー自体を知る人もほとんどいませんから、セラピストになったところで、トリートメントに来る人もほとんどいません。そして、私自身のその時のバックグランドがマーケティングということもあり、まずはアロマテラピーのオリジナルブレンドの精油を作り、認知してもらおうと考えたのでした。作った精油はニュージーランド各地、約40軒のお店に置いてもらって販売を開始しました。実はこの製品は日本にも輸出していましたし、使い方などの説明で日本に行ったこともありました。 はじめは知ってもらうことに狙いを定めていたアロマテラピーでしたが、今では多くのニュージーランド人たちが利用する自然療法の一つになっています。 ニュージーランドのセラピストが活躍する場所 アロマテラピーは代替療法のひとつです。お花の成分を抽出した精油を使ってマッサージをし、リラックス効果、ストレスを取るというものです。 Wellpark College of Natural Therapiesの私の生徒たちは卒業後にはセラピストとして、スパやサロンなどに勤務しています。これまで日本人の生徒も数名いました。今はそれぞれセラピストとして、あるいはアロマのショップで働いています。日本に戻って自宅でサロンを開いた生徒もいます。 その他には病院やホスピスといった医療現場で活躍する人もいます。フットマッサージ、背中のマッサージ、吸引などを行っています。少し特殊なところではガン協会がアロマテラピークリニックを運営していて、そこで働く卒業生もいます。 こうしたところで働くためにはNew Zealand Register Holistic Aromatherapistsという協会に登録しなければなりません。ここに登録されるということはスキルを持ったセラピストであるという証明になるからです。 身体と心に届く効き目 ニュージーランドはアロマテラピーを学ぶのに適した国だと思います。それは都市であっても自然が多く残されているからです。自然療法を学ぶ上で自然を感じることができる環境に身を置くことは大きなアドバンテージになります 私が教えているディプロマコースはまた西洋と東洋の考え方をミックスした内容になっています。中国医学の発想、たとえば、ニュージーランドにはマヌカとカヌカという精油があるのですが、マヌカは陰、カヌカは陽という区分をしたりします。また他には、インドのチャクラの発想など、あるいは波動医学の発想を取り入れた総合的な内容です。なぜなら、アロマテラピーでは、精油が嗅覚を通して、そして皮膚を通して身体だけでなく心にもその効き目が及ぶからなのです。 1年間のフルタイムのコースではどこへ出しても通用するセラピストになってもらえるよう教えています。私はこのように、アロマテラピーのマッサージをするだけでなく、教えることも通して、これからも自然療法のすばらしさを伝えていきたいと思っております。 |