Vol.38 時代を飾るキウイ クリケット協会チーフ・エクゼクティブ |
「Summer of Cricket」 夏のスポーツ、クリケットを象徴する言葉だ。夏になるとラグビーに代わり、スポーツニュースの話題を独占する事はこの夏をニュージーランドで過ごした人なら分かるはずだ。毎年、ニュージーランドを始め、南半球のスポーツといえば、冬はラグビー、夏はクリケットというのが定番なのだが、クリケットは日本人が知らないスポーツだけに、人気がなく、つい見逃されてきている。サッカーに次いで競技人口は世界で2番目に多いスポーツと言われ、これほどまでにニュージーランド中が注目するスポーツのクリケットがおもしろくないわけがない。野球の原型と言う事は知っているにも関わらず、我々日本人に馴染みがなく、ルールも知られていないために、誰もがつまらない、何をやっているのか分からない、試合時間が長すぎると切り捨てられて来たのだ。 ![]()
Andrew Eade 1961年ニュージーランド人の両親のもと、インドに生まれる。オークランド大学でスポーツ法を学ぶ。オークランドのサバーブス・クリケット・クラブ勤務の傍ら、コーチも兼任。その後、ICC(インターナショナル・クリケット・カウンシル)で東南アジア・太平洋地域、全世界の普及・強化委員を経て、2003年に現職に就任。スポーツ法を学んでも、いま注目を浴びる職業、スポーツエージェントにはなるつもりは無い。
日本のクリケット? 日本クリケット協会が存在する?
ICCは世界のクリケットを代表する10か国、ニュージーランド、オーストラリア、イングランド、南アフリカ、ジンバブエ、インド、バングラディシュ、パキスタン、スリランカ、西インド諸島からそれぞれ4人の委員が派遣され構成されています。この10か国が世界のクリケットをリードし、テストマッチといわれる国代表の試合を行います。その下に位置するのが協力メンバー(Associated Member)といわれる27か国があり、カナダ、ケニア、フィージーなどがこの中に属しています。さらにその下に関連メンバー(Affiliated Member)48か国があります。日本は関連メンバー48か国の一つで、韓国、インドネシア、サモア、トンガなどとその上の協力メンバーへのステップアップを狙っています。
ニュージーランドのクリケット代表チームは「ブラック・キャップス」
全国をNorthern District、 Auckland、 Central District、 Wellington、 Canterbury、 Otagoの6地域に分け、17歳以下のレベルからトップレベルまで国内選手権が行われます。トップレベルになるとプロ選手で、毎年10月から3月まではニュージーランドでプレーし、4月から9月まではイングランドなど北半球のクラブでプレーしています。国内選手権で活躍した選手はニュージーランド代表チーム「ブラック・キャップス」に選ばれ、他の国の代表チームとテストマッチを行います。現在「ブラック・キャップス」のキャプテンを務めるスティーブン・フレミングは自叙伝も発行されるなど、ニュージーランドのクリケット史上で非常に優秀なキャプテンと言われており、オールブラックスの中心選手と同じほどの金額を稼ぐと言われています。
クリケットの魅力
クリケットのやりがいは二つあると思います。一つは歴史と伝統を感じる事が出来る事でしょう。服装を正しくする、プレーでは不正をしないなど、クリケットを行う上でのエチケットとマナーを守らなければならないからです。フェアプレイと社交を重んじる紳士、淑女のスポーツなのです。その上、テストマッチになると試合の最中に40分のランチタイムや20分のティータイムがあり、英国の伝統を肌で感じる事が出来ます。だから時間がかかるのです。二つ目は試合終了直前には非常にエキサイティングになる事でしょう。特に一日で勝負を決めるワンデイ・クリケットは各チームの投球数が50オーバー。つまり6球で1オーバーという単位で計算されるので、300球と決められており、300球の中で多くの点を取った方が勝ちます。300球に近づけば近づくほど、あと残りの球数で何点取らなければいけないかという、緊迫した時間帯がやってきます。野球で言えば、1点差で負けていて、9回の裏2アウト満塁という目を離せない時間がやって来るのです。それまでには相手チームとの様々な駆け引きがあり、だからアウトドアのチェスと言われる緻密さがあるのです。そこが多くの人たちをクリケットに惹き付ける要素だと思います。 スポーツ留学したい、体験したい、資格を取りたい、この分野で仕事をしたいと言う方はイーキューブ留学セクションまでお問い合わせ下さい。お問い合わせはこちら |