Vol.103 Career up in NZ 2 和田美帆さん(Miho Wada)インタビュー |
イギー・ポップとKiwiミュージシャンたちの共演が大きな話題となったOrconのCMで、ピョンピョン飛びはねながら演奏していたキュートな女の子が、和田美帆さん。ワールドツアー直前の出演となった「Japan Night」の会場で、ハッピーパワーの原動力となる彼女の強さと情熱についてうかがってきました。
『フルート奏者になってオーケストラで演奏したい』という夢が叶ってマルタの交響楽団に入ってみたら、何かが違うと思うようになりました。学生時代のオケは和気あいあいで楽しかったのに、仕事になってしまうとみんなで協力して音を作っていくという雰囲気ではなかったんですよね。そのままでは自分の音楽が消えてしまうような気がしてロンドンに戻り、セッション・ミュージシャンとして活動していた時に偶然キューバ音楽と出合ってキューバに渡りました。
キューバではその日のご飯も満足に食べられないのに、お腹が空いていても疲れていても音楽さえあれば幸せ!という人たちにたくさん出会いました。私が育ったクラシックの世界には裕福な人が多く、学生時代から高価な楽器を持っている友人も珍しくなかったのに、キューバではチェロの弦が切れても直すお金すらなくて、弦を手で引っ張りながら弾いている人も見ました。その時、弦が直せなくたってホントに弾きたかったら弾くんだ!というシンプルな姿にハッとしたんですよね。小さいことでイライラしたり焦ったりするのは贅沢なことで、本当は演奏できるだけで幸せなんだということにも気づいたし、1回1回のコンサートの大切さをあらためて感じるようになりました。それまで持っていた自分の価値観が大きく変わったのが、キューバでの経験だと思います。
本物のハッピーは淋しさの先にある
日本人としての誇りを持っていたい ![]() ![]() |