Vol.59 自由時間 ニュージーランドでサルサを踊る |
シティダンス 上級クラス / Student, City Dance / 渡邊 幸子さん
世 界でもっともホットなダンスとして注目を浴びるサルサダンス。NZでも、いろんな国籍の男女が、さまざまな場所でサルサを陽気に踊る姿が見られる。NZに 来てから、サルサがぐっと身近になった日本人も多いだろう。サルサは、キューバ音楽の『ソン』とNYの音楽が一緒になって生まれ、そこから誕生したサルサダンスは、民族的な起源を持ちながら、全てを超えて人を受け入れ、交流の場を作り出し、今、世界中の多くの人々に愛されている。時にクールでスリリング な、時に官能的でエレガントなサルサダンスの魅力を、ダンス教室『シティ・ダンス』へ10年以上通い、上級クラスでサルサダンスを習う渡邊幸子さんに教え ていただこう。
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Yukiko Watanabe
渡邊 幸子
シティダンス 上級クラス
Fashion Designer
愛知県出身。中学の時に、クラスメイトにジャズダンスを教えて貰ったのがダンスのきっかけ。高校ではテニス部。高校卒業後、歯医者さんで働きながら乗馬を習 う。乗馬クラブに転職。乗馬旅行ではじめてNZへ。95年NZにワーホリで来る。『シティ・ダンス』でヒップホップを習う。96年アメリカで数ヶ月過ご す。97年再びNZへ。『シティ・ダンス』でジャズダンス、バレエ、ヒップホップなどを習い、その後今年2月からサルサをはじめる。現在、週6で1日4時 間ダンスのレッスンを受ける。
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ひとりで踊るダンス
「私 のダンスと出会いは、中学生の時。ジャズダンスを習っていたクラスメイトが、毎日、放課後にダンスを教えくれていたのが始まりでした。」と語る幸子さん は、『シティ・ダンス』のサルサダンス・アドバンスクラスで、ホットにサルサを踊る。「でも高校生になって、その友達と学校が別々になって、クラブ活動で テニスをしていました。そんなある日のことでした。『フラッシュダンス』の映画を観て、またダンスに魅せられて、高校を卒業したら絶対にダンスをするって 思いましたね。それで高校を卒業して、歯医者さんで働き始めた頃に、ダンススクールに見学に行ったのです。でも、みんなレオタードを着ていて、それに抵抗 があって迷いがでてしまい。他に、乗馬にも興味があったことから、乗馬をすることにしたんです。それから、乗馬クラブの会員になって、当時は乗馬にのめり 込んでいました。その後、その乗馬クラブで働くことになったのですが、クラブの会員の方が、1週間、NZで乗馬をとても楽しまれた話を聞きました。それが きっかけで、私もNZに旅行で来て、オークランドから車で40分くらいの所にあるムリワイビーチ、ロトルア、クライストチャーチと移動しながら、毎日、乗 馬をして。それからファームステイをして、その間も馬に乗って、乗馬三昧の旅を楽しみました。」
それから1年後にワーホリでNZへ戻ってきた幸子 さん。「ワーホリの時はオペアをしていたので、平日は外出ができなくて、ずっとダンスがしたかったこともあって、土曜に『シティ・ダンス』でダンスを習お うと思ったんです。『シティ・ダンス』は、オープンクラスで好きな時に参加できるのが良くて。その時は、先生がとても魅力的だったのでヒップホップを選び ました。今から10年以上前のことです。一度、日本に帰国して、97年にNZにふたたび戻って来てからも、『シティ・ダンス』のヒップホップのレッスンに また通い始めました。実は、その当時60キロくらいに体重が増えていて、ダンスをしたくてもダンスができず、エアロビクスからはじめて体重を落としたんで すけどね。そして減量した頃に、はじめは週に1、2回のペースでヒップホップを習っていたのですが、ジャズダンスとバレエも習い始めて、週4日間になり。 1年後には、ストリートダンスもはじめて週5回に。それから、コンテンポラリーダンスもはじめて、ほぼ毎日、1日2時間くらいダンスをしていましたね。」
はじめてのペアダンス
「去 年の8月に、『シティ・ダンス』でサルサダンスのレッスンが始まることになりました。ペアダンスには、それまで興味がなかったのですが、最初の一回だけ無 料で試せたので参加してみたんです。そのレッスンでは、ラッキーにも、先生のジーノとずっとペアで踊れたので、とても楽しくて。でも次に行ったレッスンで 初心者の生徒と踊って、ちょっと冷めてしまって。そのままサルサのレッスンから遠のいていたのですが、昨年の12月頃にジーノが海外へ行くと聞いたので、 彼の最後のレッスンに参加することにしたんです。その時に、今の先生のスタンリーとジーノが、デモンストレーションで踊っているのを見て、ほんとうの ショーのようにステキですごく感動してしまって。彼等と踊りたいと痛烈に思いました。でもそれには、やはり上手くならないと踊れないな、と思ってサルサの レッスンを受けることにしたんです。
サルサは、基本は8ビートを3つずつステップを踏んで、男性がリードして、女性がフォローするペアダンス。一 般的に『官能的なダンス』という表現をよくされるセクシーなダンスです。そして、パートナーをチェンジして知らない人と気軽に踊りあう陽気なダンスです ね。ダンスをしている時は、男性がリードするので、女性がターンをしたいからといって自ら手を上げることはできないんです。その代わり、男性は女性が気持 ちよくなるように踊らないといけなくて。女性が他の人にぶつからないように、周りの人に気を遣うのも男性の役目です。
私は、これまでジャズダン ス、バレエ、ヒップホップなど、ひとりで踊るダンスばかりをしてきたので、サルサをはじめた頃は、相手に合わせることができなくて、パートナーの男性に 『勝手にひとりで踊らないで』、『ターンが早すぎる』、『ぼくがリードするからリードに合わせて』とかいろいろ注意されました。他にも、サルサはホットな ダンスで、セクシーに踊るダンスですが、私のダンスはバレエやジャズダンスのような綺麗なサルサだと指摘されたり、ターンもバレエのようだと注意されたり も。それで、もっと上手くなりたいと思って、レッスンを増やして、今までずっとやってきました。はじめは女役の先生の見本の踊りだけを見て、振りを覚えて 踊っていたのですが、最近はパートナーと一緒に踊るダンスなのでパートナーの振りを覚えるのも大切だと思うようになりました。それに以前は、ペアダンスを 踊ったことがなかったので、体がくっつくのに抵抗があったのですが、今はそれにも慣れてしまいましたね。」アドバンスのレッスンで、長年サルサを踊ってき たかのように、新しいステップをすばやく飲み込み、音楽と一体になってステップを踏む彼女。
世界中で愛されるサルサダンスの魅力
「私 は、サルサダンスのとても明るい感じが大好き。笑顔が似合って、陽気でエネルギッシュで。サルサダンスの楽しさは、ターンがいっぱいできて、色んな人と踊 れること。それに、サルサはある程度レッスンして上達すると、クラブでフリーで踊れる楽しみがあって、ダンス好きにはたまらないですね。私は少ししか行っ たことがないのですが、毎週金曜日の夜は、レッスンの後に夜11時からサルサが踊れる『メキシカンカフェ』にみんなでくりだして、夜中の3時ごろまで熱く 踊りつづけています。
サルサをはじめてから、外国人の友達の輪も拡がりました。レッスンには、キウイも含めて色んな国の人が来ていて。個人で踊る ダンスを習っていた頃は、レッスンが終わると生徒たちはすぐに家に帰ってしまうので、あまり友達ができなかったのですが、サルサは踊っている時もパート ナーと喋るし、そこで知り合ったみんなと食事に一緒に行ったり、友達になりやすいオープンな雰囲気があります。サルサを踊りたい時に、友達を誘わなくて も、ひとりでクラブに行っても、自然に躍る相手ができますしね。それに、クラブでも、スクールのレッスンでも、サルサがきっかけでカップルになる人もいま す。また、カップルでサルサを習いに来ている人もいます。ただ、カップルで習いに来ると、同じ相手としか踊らないので、上達するのが遅いのがネックです が。
今、サルサダンスがこんなに楽しく感じているのは、先生のスタンリーの存在も大きいですね。国籍を問わず、みんなにとても人気のある先生で、 教え方が丁寧で上手くて、レッスンが面白いんです。ステップが分らなかったら、ずっと教えてくれるし、プライベートレッスンも頼めばしてくれるフレンド リーな先生。スタンリーは、サルサをはじめてから2年後に、NZのビギナー部門、アドバンス部門、プロフェッショナル部門で優勝したという経歴の持ち主。 最近、サルサのレッスンに来る人が増えているのも、スタンリーの影響もあると思いますね。彼はサルサに対して意識がとても高くて、クラブでもみんなをちゃ んとよく見ているんですよ。たとえば、クラブでサルサダンスのレベルの高い男性が、ビギナーレベルの女性と踊っている時に、リードができるからターンを いっぱいしてしまう人がいるのですが、初心者の女性はそれが原因でサルサは難しい、と思ってあきらめてしまう場合があるんです。男性が本当の意味でリード をして女性を楽しませてあげることが大事なので、スタンリーは、そういう男性にクラブでも注意をしているようです。
初心者でもサルサのステップ は、1、2ヶ月くらい練習すれば踏めるようになりますよ。ターンが初心者には難しいようですね。重心が傾いたり、目が回ってしまったり。2回まわる時は、 一点を見てスポットターンをするといいです。そして、サルサだけではなくて、他のダンスをすることが上達に繋がると思います。」真剣にダンスのレッスンに 励む幸子さん。彼女の世界は、ダンスを通して大きく拡がって行っている。「最近は、週6日、1日4時間ダンスのレッスンをしていて、2時間くらいだと物足 りなくて。2年くらい前に肉離れで2週間くらい踊れなかった時に、ダンスができなくて落ち込んだので、怪我には気をつけています。サルサは、面白い時もあ るし、難しい時もあるし、相手によって違いますし、まだまだ上手くなりたいですね。サルサの大会にも出たいし、ニューヨークにダンスで行きたいっていう夢 もあります。そして、踊れなくなるまで踊りつづけたいですね。」
NZの眠らないホットな夜を演出するかのように、サルサを愛する人々が自然とクラブに集まり、踊りだす。そこでは、人種や国籍も、肩書きや年齢も全てを超えるサルサが共通語になるのだ。
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