Vol.18 Career up in NZ ニュージーランドでB&B;経営 |
ニュージーランドの民宿とも言えるB&B(Bed&Breakfast)をオークランドで経営している北村葉子さん。
街のサイズは大きくもなく、小さくもない。それにいくつもの丘があるので、街のあちらこちらから海を見ることができる。このオークランドの最初の印象が私にとっては強烈でした。 ニュージーランドに住むために葉子さんが最初にしたことは職を見つけることであった。 ここに住むためには、まず生活の基盤を作らなければなりませんでした。その第一ステップはやはり仕事を探すことでした。ただ、私はワーキングホリデーのビザを利用していたわけではなく、ビジタービザだったため、滞在できるのは極わずかな期間です。その間に集中して探さなくてはなりませんでした。 バックパッカーに泊まり自分のできる仕事である看護師の職を探し始めました。とはいうものの看護師として働くためには当然、免許が必要になるので、その助手というポジションを探したのです。その際に私が日本でも従事していたような老人ホームを中心に考えていました。それもあまり規模が大きくないところです。大きな病院は採用などに関しても、その年度の人数や予算などがしっかりと決められていて柔軟性があまりないだろうと思い、初めからリストから外していました。 こうして、いくつも老人ホームや病院を周りました。ところが話がうまく進むところがまったくありません。そんなときはやはり不安になってきます。 多くの人が仕事を探すときにはまず、最初に電話をかけてアポイントメントを取り、そして訪問するという手順をとっていると思います。しかし私にはそれができませんでした。英語にまったく自信がなかったからです。電話帳で場所を調べて、そのまま訪問して、直接担当者に会い「ここで仕事はありますか」と聞く。そこで日本で看護師をしていたことをアピールするしかありません。 でも、一日に訪問できる数は限られています。土地カンがまったくないために、バスの路線や停留所が良くわかりません。やっと停留所を見つけても次のバスまで1時間待ちということも多々あります。また、突然の訪問ですから、担当者が不在ということもあり、それではまた明日来ます、ということにもなってしまうのです。 それでも葉子さんは根気よく探し続け、職を得ることに成功した。 些細なキッカケでした。日本で偶然に知り合った英語学校に勤めるキウイの先生の家族が、オークランドにいたのです。日本を出るときに住所と名前のメモを貰っていたのですが、英語の先生とは面識があっても、その家族の方たちとは面識がありません。知り合いの先生本人はまだ日本にいるため、最初は突然訪ねるのはためらっていたのですが、気分転換に行ってみたのです。そこで、これまでのことを少し話していると、先生のお父さんがある老人ホームに電話をかけ、そこで面接のアポイントメントを取ってくれたのです。そして面接にも付き添って来てくれました。その結果、採用が決定してワークビザもサポートしてくれることになったのです。仕事の内容は主に入院している方のお風呂や食事など日常生活のお手伝いをすることでした。ワークビザの期間である約一年、ここで働きました。 ワークビザが切れるときに葉子さんは一度日本に帰り、スチューデントビザを取り直して再びニュージーランドに戻って来た。
今度は手伝いではなく、正式に看護師の仕事をしようと思いました。そのためまずは語学力が必要だと思い、英語学校に通いました。そして卒業間近になり、看護師の資 その後、約2年半の間、看護師の仕事を続けた。そして01年にニュージーランド版の民宿とも言えるB&B(Bed&Breakfast)である「Newmarket Cottage」をオープンさせた。
日本から私の家族が来るときに我が家のゲストルームを改築したことがB&Bをオープンさせるはじまりでした。このスペースを利用して、ニュージーランドを訪れる人たちや旅行者にはこの国の一般家庭を、長く住もうと思っている人にはニュージーランドとの最初の架け橋になるサービスを提供したいと思いました。そのキッカケとなったことは最初の仕事を得たときに病院に電話をかけてくれ、そして面接についてきてくれたお父さんのことです。それまでの間、コツコツと病院を周って、仕事を探していても全然見つからなかったのですが、ほんの些細いなキッカケで職を得ることができました。それはもちろん運ということもありますが、あの時お父さんに大変親切にしていただいたおかげで精神的に随分と楽になりました。 しかし、パンフレットが出来上がった1週間後にニューヨークのテロが起きた。
少しの間は何もする気がなくなるくらいに私達にとっても大変ショックな出来事でした。しかし、それではいけないと思い、パンフレットを色々なところに置かせてもらいに行ったのです。すると、置き始めたその日、正確に言えば2時間後に早速、予約の電話があったのです。ワーキングホリデーの女性でした。彼女はファームスティに出ていて、その日にオークランドに戻って来たばかりで、少しゆっくりした環境で過ごしたいということで、ここへ来てくれたのです。 その後は、主に宿泊客伝えに利用者が増えていった。 お客様ではニュージーランドの一般家庭の雰囲気を味わいたいという旅行者のほかに、リタイア後にこの国で1ヶ月くらい生活したいと思っている長期滞在の方の利用が多くなっています。また、最近の傾向として、お子様の英語の教育をこの国でしようと思ってる方が増えています。親子でこの国に来て1年なり2年の間、お子さんをこちらの学校に通わせる親子留学の方です。期間が長いため、基本的にはこちらでフラットを借りて生活されるのですが、その前後の数ヶ月をここで過ごされる方がいます。ニュージーランドに到着して、住むところを探すまでと、帰国前にフラットを引き払った後の数ヶ月です。親子留学の多くはお母さんとお子さんの二人で来ることが多いのですが、期間が長いために、こちらである程度の生活基盤を作る必要があります。そのためにはどうしてもお父さんの協力が必要になってきます。例えば力仕事である引越しなどもそうです。しかし、お父さんは当然日本で仕事があるために、こちらに長期間滞在することはできませんし、来ることができる時期が決まってきます。すると、お父さんが来たときに合わせて、フラットは引き払い、引越しなどは済ませてしまいます。その後、お子さんの学校の期間が終わるまでの間をここで滞在する方がいらっしゃいます。こういった方には、非常に好評です。 場所柄は静かな住宅街ですし、他にお客さんはいないので、お子様を気兼ねなく遊ばせることができるからです。 このように長期利用の方が増えていますので、朝食のメニューも現在は5種類用意しています。ベーコンエッグを中心とした英国スタイル、オムレツ料理のフランススタイル、パニーニのイタリアスタイル、フレンチトーストスタイル、そしてご飯とお味噌汁の日本食です。また、リクエストによって、夕食も用意します。短期の方にはレストランのディナーのようにフルコースメニューを、長期の方には私達夫婦が普段取っている食事を希望される方が多いように思います。 現在、日本からは多くの人がニュージーランドに来ています。旅行者だけでなく、ワーキングホリデーやスチューデント、親子で留学している人もいますし、こちらで永住を考えてくる人もいます。そういった方からはよくビザのことなども聞かれます。それだけ多くの方がこの国で働いたり、生活したいと思っているのだと思います。 私はそういう方にとってここがニュージーランドでの心のよりどころになれればいいと思っています。かつて、私が経験したように、ほんの小さなコネクションで道が開けたように、「Newmarket Cottage」という場所や、私達夫婦を通してニュージーランドを好きになってもらったり、またこの国で活躍してくれる人が増えていってほしいと思っています。 留学したい、体験したい、資格を取りたい、この分野で仕事をしたいと言う方はイーキューブ留学セクションまで、お問い合わせ下さい。 お問い合わせはこちら |