Vol.70 自由時間 ニュージーランドのファッション・ブランドへ就職 |
Nana Munakata 宗像 奈々さん GEOS Auckland Language Centre まずは英語。 GEOSで自分のあいまいに理解していた部分をみっちり勉強したことが、今の生活全てに活かされています。
心理の森のガイド、「自分探し」から始まった。
現在、国内外のセレブも大注目する有名ファッションブランド『トレリス・クーパー』で働いている宗像奈々さん。もちろん仕事は100%英語。毎日のように多忙で緊迫した現場は一寸の聞き逃しも許されない。ずっと自身の英語を磨き続け下地を作る努力をし、この素晴しい環境を賜物として授かった奈々さんにこれまでの経緯を伺った。
【Profile】
1984年生まれ。東京都出身。青山学院女子短期大学芸術学科卒業。卒業後からワンツーマンの英会話スクールに通う。英語を上達させる事を目標に掲げ、今年からワーキングホリデーでニュージーランドへ。3月よりGEOSのジェネラルイングリッシュコースに入学し、その後ビジネス、TESOL、TECSOLコースを修了。短大で専攻した染色の知識を活かし、現在はNZ屈指の女性ブランド『トレリス・クーパー』で品質管理などを行っている。 |
転機はほんの小さな出来事から
日本の短期大学を卒業後、マンツーマン指導の英会話学校に通いはじめたのですが、そのきっかけとなったのは日本の名作ドラマ『私は貝になりたい』を観たからなんです。このドラマは、戦時中に日本兵の主人公が、アメリカ人捕虜にケガをさせ、それが後に罪となり死刑…というストーリーで、「英語ができないことは命取りになる!」と衝撃を受けてしまい、その後すぐにその英会話学校に申し込んだのです。そんな分かりやすい動機ではじめた英会話でしたが、私はもともと人と話すことが大好きだったので、会話を重点に於いて英語を勉強する事が今まで感じた事がなかったくらいとても楽しくなったんです。実はそれまで英語なんて大の苦手で、テストの点数はいつも酷く、時には20数点なんてこともありました。洋画や洋楽も大好きでしたが、ただこれらをもっと理解するためのパイプ役となる“英語”に対して“苦手意識”をずっと持ち続けていたため、このような西洋カルチャーも心から楽しむ事ができずにいたのです。
この英会話学校で勉強をしているうち、英語はとても簡単で、単なるコミュニケーションの手段なんだと考えられるようになりました。しかし、通いはじめて2年程経った頃から伸び悩みを感じるようになったのです。一通り英語を学んで、会話も普通にできるようになったけれども、このまま日本で勉強しているだけではこの英語力は上がってはいかない。どうするべきかいろいろと情報収集に励み、そしてワーキングホリデー制度というものがあることを知りました。この英会話学校にはいろんな英語圏の国の先生が揃っていましたが、特にニュージーランド出身の先生はとてもユニークでフレンドリーで魅力のある人柄だったんです。ニュージーランドにこの先生のような人がいるというなら、ぜひニュージーランドに行ってみようと思ったんです。形も日本と似てますしね(笑)。
苦手な部分をとことん向上させたい
ワーキングホリデー制度を利用してニュージーランドに来ましたが、私には英語を上達させるという断固とした目的があったので、到着後すぐにいくつかの語学学校をまわり、GEOS Auckland Language Centre(以下、GEOS)のジェネラルイングリッシュコースへの入学を決めました。決めては、カウンセリングで自分の伸び悩んでいた部分が浮き彫りになったこと。GEOSだったらそれらを伸ばしていけると思ったんです。その他、GEOSの生徒は国際色豊かでみんな勉強に対して真剣な印象を受けたので、自分はGEOSの校風に合っているように感じたんですね。
英語での普段の日常会話は問題がなかったのですが、やはりテストが苦手な私のクラス分け試験結果は低い方だったので、最初は中級のクラスから始めました。テストと会話レベルが全然釣り合ってなかったようで、私のような日本人は珍しいようですね。その時も、私はまだまだテストに対しての苦手意識をもっていたんです。でも、そのクラスに入ってみてやはり自分には優しすぎると感じたので、次の週には上級クラスに移動させてもらうことができました。しかし、うって変わって皆の話すスピードはとても速く、何の話題について話しているのかも分からず、それまでコミュニケーションで英語を楽しんでいた私はすっかり自信喪失してしまったのです。それでもクラスメイトは本当にみな親切で、授業中私が何を指示されたのか分からず困っていると、それを察して手助けしてくれたり、授業後には私の復習に付き合って一緒に遅くまで残ってくれたりもしました。そして、私もそんな優しいクラスメイトに迷惑をかけたくなかったので、それからは予め予習復習は完璧にしておくようになりました。
ジェネラルイングリッシュコースを修了する頃には、すっかり英語を勉強する楽しさが蘇っていました。その後、ビジネスイングリッシュコースに進み、働くのに必要なスキル、CV作成から電話対応、インタビュー、社会常識、プレゼンテーションなどあらゆることを学びました。GEOSのビジネスコースに進もうと思ったのは、やはり私は会話が得意でもライティング、リーディングがとても苦手で、このビジネスコースは自分の苦手なものがたくさん詰まっていたんです。そういう部分はこれを機に克服しようと決意しました。さらにこのコースは、英語検定の中でも難しいとされるケンブリッジテストの一つBEC(ビジネス検定)に基づき、すぐ就職に活かせるよう実践的にデザインされています。この時、具体的に就職のことは考えていませんでしたが、結果大いに役に立つことが分かりましたね。
英語を芯から理解する
ビジネスコースの修了を控えた頃から、自分の英語力にさらなる進歩をさせたいと考えていたのでこのままGEOSに残り、TESOL(英語講師養成講座)、TECSOL(児童英語講師養成講座)コースをとることを決定しました。これらは英語教師を目指す人などが勉強するコースですが、私は現在のところ教師になろうと思っているわけではありません。しかし、英語を教わるのではなく教える側になるという事は、教わる側以上に深く英語を理解していなければいけない。だから、英語を更にブラッシュアップしたいと思っていた私にとって、ピッタリのコースだったんです。まずTESOLコースからスタートしたのですが、聞いていたとおり課題がとても多く大変な毎日でした。だけど大変だったゆえに、今でもTESOLコースのクラスメイトとはみんな仲良しです。団結力が深まったんでしょうね。みんな助け合って乗り越えようと本当に必死でしたから。授業内容は、英語の基本はもちろん、ディスカッション、指導法、授業プランの立て方など教師としてのテクニックを学びます。そして、実習として週に一人2回30分の授業を持たせてもらえるんです。そのためボードワークを考えたり、テキストとなる印刷物を作ったり、授業以外の準備時間も思った以上に掛かる事を知りました。TESOL、TECSOL受講生はこういった部分で苦労するようですが、私は全てとても楽しく出来ましたね。それまでどんなにあせって忙しく準備をしてようが、皆の前に出てホワイトボードの前に立つとリラックスしてスムーズに授業が進められるんです。現場に強いタイプなんですね。
このGEOSのTESOL、TECSOLコースを卒業すると修了時にNZQA認定の資格がもらえると同時に、英語講師トレーナーからの推薦状をもらえるので、就職を考えている人にとっては非常に有利です。さらにTKTテスト(ケンブリッジ大学ESOL(英語を母国語としない人のための英語)試験 Teaching Knowledge Test)という国際的に通用する証明書まで取得できるのです。自分のキャリアにも箔が付きましたし英語への自負をより感じられるようになりました。
身に付けた英語でこれからは社会勉強
現在は、縁があってニュージーランドで名のある女性ブランド『トレリス・クーパー』で働いています。働き始めたのはNew Zealand Fashion weekという国内外が注目する一大イベントが開催される数日前で、どうしても人手が足りない時期だったんです。そのため社内は緊張感漂い、スタッフは皆大忙し。もちろん会話も凄いスピードで交わされていました。そんな中で指示を聞く時は聞き逃さないよう集中し、分からない事を教えて欲しいなど余裕ある事は言ってられなかったので、度胸を振り絞って自分が出来る事は雑用でも何でもしようとフロア中駆けずり回っていました。
毎年、このNew Zealand Fashion weekに向け、短期でたくさんのスタッフが雇われますが、それが終わると契約期間満了となり去っていくんです。今のところ、私はありがたいことにまだ働かせてもらっています。短大時代に織りや染色の技術も学んでいたことで、最近は染色関係の仕事も手伝わせてもらえるようになりました。私の名前“NANA”は、英語で“おばあちゃん”を意味し、そう言ってスタッフがフレンドリーに接してくれています。雑用も頼みやすいみたいで、嬉しい限りです(笑)。
ワーキングホリデーが終わってもこのトレリス・クーパーで働き続け、「絶対コイツは必要だ」と思われるようにがんばりつづけたいですね。ゆくゆくは興味のあるプロダクション関連の部署に移るのが大きな野望です。とにかく今はGEOSで勉強した事全てが活かされてるのをひしひしと感じています。英語だけの勉強はそろそろ卒業し、これからは社会勉強ですね。
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