英語習得と壮大な自然を体感することを目的に、ニュージーランドへはこれまで数回訪れているという及川尊さん。そして今年からはニュージーランド国立の実務大学に値するフィティレイアポリテクニックのDiploma in Hospitality management Level5コースでホスピタリティーを勉強している。サービス天国日本ではなく、ニュージーランドでホスピタリティーを学ぼうと思いはじめたきっかけは、この国の人々の温かさと楽天感にあった。
【Profile】
栃木県出身。1985年6月22日生まれ。大学を休学後、英語留学のために1年間クイーンズタウンで過ごす。その後TESOL、TECSOL、そしてJ-Shineの英語教師・児童英語教師の資格を取得するため更に2度ニュージーランドへ渡航。2008年2月よりWhitireia PolytechnicのDiploma in Hospitality management Level5コースへ進学。趣味はフットサル、川釣りの他、ラグビー観戦が大好きで週末はよくスタジアムや公園に出かけている。 |
初めての留学先はブラジル
僕は5歳の頃からずっと地域のサッカークラブでプレイをしていて、小学校卒業後、中学入学までの春休みの間にはブラジルへ2ヶ月間のサッカー留学も経験しています。この遠征は、このサッカークラブのコーチがブラジル人だったこともあって実現し、現地では地元のチームとの練習試合をしたほか、観光などをして楽しみました。ブラジルは日系の方も多く住んでいて、試合ではたくさんの日系人が応援に来てくれたりお寿司をごちそうしてくれたり、なにかと手厚くもてなしてくれたことが記憶に残っています。僕の父は英語もドイツ語もできるグローバルな視野の持ち主で、このブラジル遠征にも同行、積極的にサポートしてくれました。
高校まではサッカーの特待生だったこともあり、サッカー一色の生活を送っていました。英語を真剣に勉強するようになったのは高校に入ってからです。英語の授業がとても楽しくて、その先生に教わるようになってから一気に英語が好きになり、成績もぐんぐん伸びました。修学旅行ではオーストラリアに行ったので、多少ながら英語に触れる機会もありました。
ずっと本気で続けていたサッカーですが、ある時プレイ中に体を壊してしまい、最悪なことにこの先はこれまでのように続けていくのは難しいだろうという診断に至りました。このことはとてもショックな出来事でしたが、そこで堕落したくはなかったので、それなら英語を使う何かを勉強していこうと思うようになりました。そして卒業後は、国際人をめざし埼玉の大学へ総合政策を学ぶため進学しました。
英語+自然=ニュージーランド
大学では、幅広い分野を学ぶため英語以外の語学を勉強する機会もありました。しかしもっともっと英語を勉強したいと思っていた僕は大学ではもの足りずフラストレーションを抱えるようになっていました。そこで考えた結果、大学は一年修了した後に休学し、クイーンズタウンへ一年間の語学留学をすることにしたのです。もちろん英語は大好きでそれまで成績も良かったのですが、最初に痛感したのはまったく会話が付いていかないということでした。留学先の学校では全然聞けず話せずだったため、まず初級のコースからスタートしました。
長期の海外生活は初めてでいろいろ大変なことはありましたが、それでもクイーンズタウンの街や自然の美しさと人々の温かさでとにかくこの一年は楽しかった記憶ばかりです。英語留学するのだから日本人があまりいない場所にしようと思い南島のクイーンズタウンを選んだのですが、結果大正解だったと思います。
この留学後、日本に戻ってきた時にまず感じたことは「何かつまらないな」ということでした。クイーンズタウンでの楽しかった思い出を振り返ってみると、そこにはいつも美しく壮大な大自然がありました。留学中、僕の大好きな趣味である川釣りやフットサルなどを楽しむ時は、いつもたくさんの緑に囲まれていて、そして純粋にそれらにのめり込み贅沢な時間を過ごしていると実感していたのです。だからもう日本に着いた次の日からまたすぐにニュージーランドへ行く計画がありました。
そして約3ヶ月後には実行に移し、オークランドの学校でTESOL(英語講師養成講座)、TECSOL(児童英語講師養成講座)の資格を取るため約2ヶ月間日本を離れました。TESOL、TECSOLコース修了後の翌年には、教育関係で働いている知り合いの勧めもありJ-Shine(日本の小学校での英語指導者育成団体)の資格を取りました。
これらの資格を取ろうと思ったきっかけは、初めての英語留学中にあります。留学期間の後半、ホームステイ先に新しい同居人として英語留学の韓国人がやってきたのですが、彼はニュージーランドへ来たばかりで全然英語ができず、いつも僕が教えていたんです。その時に、自分が教えたことを相手が吸収していってくれること、その過程がすごい楽しいと感じましたし、教える側教えられる側お互い相手を理解しようとする心の歩み寄りの大切さを知ることができたのです。これらの資格を取って、英語そのものをよく知ることができましたし、より正確に分かりやすく教える自信が付きました。また今後誰かに英語を教える機会があったらぜひ教えたいですね。
この国でホスピタリティーを学ぶこと
僕は人とコミュニケーションを取ることがとても好きなんです。今までしてきたアルバイトもすべて接客業でした。通っていた大学は留学中にすでに辞めていたこと、この先もニュージーランドに居たいということ、あとは思いがけないきっかけがあったことで、この国でホスピタリティーの学位を取ろうと学校を探すことにしたのです。そして自分の求めている条件から、国立の実務大学に値するWhitireia Community Polytechnic(以下、フィティレイア)のDiploma in Hospitality management Level5コースにすぐに決まりました。フィティレイア オークランド校では、このコースでいうと通常のカリキュラムなら修了に2年かかる内容が、1年半で学べるようにバランスよくデザインされていることと国立ポリテクニックなので地元企業に知名度が高く現地就職に有利な点が魅力でした。これまでの留学費用は両親に借りていることもあり、できるだけ短い間で学位を…というのは学校を選ぶ一つのポイントでした。
今年の2月からこのコースで勉強をしていますが、講義や実習のスケジュールが詰められているので日々ひたすら勉強です。しかし、この短期間でディプロマ資格を得ることだけを考えれば、目標に向かって頑張るだけですので集中できるのではないかと思います。特にオークランドキャンパスには各国からの留学生がたくさんいますので、教師はみなとても丁寧にこちらが納得できるまで教えてくれます。学校内にはラーニングセンターというものもあり、授業の外でも無料で専属講師が個人の学習指導を行ってくれます。ですから勉強内容をあいまいにせず、しっかりと学ぶための細かなケアがなされています。
入学当初、専門的なことを英語で勉強するのはとても苦労しました。1〜2ヶ月間は毎日辞書とのにらめっこというくらいホスピタリティー用語を覚えるのに精一杯でしたが、今はあまり辞書は使うことはなくなりましたのでそれだけ成長したということでしょう。現在は図書室に併設されている自習室で勉強することが多いです。ここは平日は午後の8時まで、土曜もオープンしているので大活用しています。
あるフライトアテンダントとの出会い
ホスピタリティーを勉強しようと思ったきっかけ。それはニュージーランドらしい、こんな出来事があったからでした。
J-Shineのコースが修了する辺りでしょうか。その頃にはニュージーランド生活もすっかり慣れ、国内の移動でしょちゅう飛行機を使っていました。飛行機は特にカンタスをよく使っていて、ある日カンタス便を利用した際、一人の男性フライトアテンダントの方に会いました。その方は僕ににこやかに話しかけてくれて、気付けば僕たちはなんと飛行中20〜30分もおしゃべりを楽しんでしまったのです。こんな話をすると首を傾げる方もいると思いますし、日本の常識からは考えられないかもしれません。カンタスのフライトアテンダントだからおしゃべりしてもいいというわけでもないでしょう。でも、実際に僕はこの方に大いに楽しませてもらったし、ニュージーランドではこんなふうに人間的にホスピタリティーの仕事をしている人もいるのかと、この時ある種の感動さえ覚えたんですね。
日本はサービス天国ですが、ほとんどが決まりきったマニュアルで接客をしている感があり、接客される側も接客されてあたりまえみたいな横柄な態度の人がいたり。正確さ精密さよりも、僕はもっとなにか温かみみたいなものが欲しいと思ってしまうんです。
この国では皆とてもカジュアルに接客をしますが、その人自身の親切気、人情でもてなされていると感じますし、こういうキウィの感覚が僕は好きです。
そんなわけで、この男性と会って以来、航空業界にも興味を持つようになり自分も相手も満足できるホスピタリティーを仕事にしたいと思うようになったのです。そして、そのためにまずは永住権を取るという目標ができました。
ニュージーランドの航空業界では若さではなくそれまでの経験がモノをいいます。応募条件にホスピタリティー関係の経験も必要であるなど、一概にフライトアテンダント専門学校を卒業したからといってその門が開かれている訳ではないのです。必然と受験者の平均年齢は高くなりますが、年齢はまったく関係ないといってもいいくらいでしょう。だからこれからじっくり経験を積んでいくつもりです。
人と人とのふれ合いと、豊かな自然があるニュージーランドはまさに僕が求めている地上の楽園。ずっとここに居たいから、その為の『今』を大切にしてこれからも頑張っていくつもりです。
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