Vol.6 自由時間 ニュージーランドでバンド活動 |
「私ほどニュージーランドにこだわりを持たずに来た人はいないかもしれません。バンドのメンバーがこの国にいた。だからオークランドに来た。理由は単純明快です。 高校生の時から音楽に興味を持っていて、実際にバンドを始めたのは短大生になった時です。今のメンバーがボーカルを探していたので一緒に組むことになったのです。それ以来ずっと同じメンバー4人で音楽を続けていました。 でも、01年の5月にギターとベースの2人がワーキングホリディでニュージーランドに行ってしまい、活動が一時停止になってしまいました。私が短大を卒業してすぐのことでした。 私は旅行会社に就職して働き始めたのですが、今まで一緒にいた仲間が近くにいなくなると、少し寂しくなって、そうしたら、もっともっと音楽をしたいという気持ちが起こりはじめて、それで私もニュージーランドに行こうと思ったんです」
ミキさんが入国したのは01年の10月。約半年のブランクの後に音楽活動を再開した。
「空港から2人のフラットに直行しました。最初は2ヶ月で帰国する予定でした。しかし先に来ていた2人がすでにカフェやバーで演奏したり、ギターは1人でバスキング、日本で言うストリートライブをしている話を聞いて、私もそれに参加したくなりました。それで次の日から練習を始めて、いつのまにか帰ることは頭の外にありました。
「私たちは日本ではロックをしてました。でもここのカフェやバーで演奏するとなると少し趣が違いました。ジャズをやってくれという店が多くあったんです。それにロックであればビートルズやオールディーズ。私たちがこれまで手をつけていなかった分野でした。 昼はバイト、夜はバンドという生活を送っていた3人のフラットに、もう1人のメンバー入ったのは02年1月。ドラムのメンバーが日本からやってきたのだ。
「これでいよいよ本格的に活動再開となりました。3月の時点でメンバー全員バイトを辞めて音楽活動に専念しようということになり、4人で住んでいるフラットにこもって練習を始めました。 積極的に参加したオープンマイクでミキさんたちは大きなチャンスを掴んだ。
「ある店のオーナーから話がきたんです。『毎週オープンマイクに来てるけどお客さんの反応がいいんで、君たちだけの日を作るからその日1時間演奏してみないか』ということでした。 4月の24日にライブが行われ、ミキさんたちのバンドはニュージーランドでのクライマックスを迎えた。
「ほんの2ヶ月のつもりが半年以上も滞在することになってしまいました。それは私がニュージーランドを好きになったからです。ここで数え切れなくらいライブの演奏ができたことや、新しいジャンルの練習、今まで聴いたことがなかったアイリッシュの音楽にも生で触れることができました。ライブの後には多くの人が私たちにアドバイスをくれました。あの曲のここが良かったとか、この曲のここを直した方がいいとか。意味は理解できるんですが、細かいニュアンスを聞いたり伝えたりすることが少し難しかった気がします。それが今後の課題ですね。 |