Vol.59 Career up in NZ 総合眼科EYE INSTITUTEテクニシャン |
NZでワーホリ生活を満喫
「高 校を卒業して、テレビのブラウン管を製造する会社で働いていた頃に、よくカナダに旅行で行っていました。小さな頃から、『赤毛のアン』の物語が大好きで、 その舞台のカナダが憧れの地だったんです。何度もカナダに行っているうちに、ますます気に入って住みたくなって。それで英語を勉強しだしたんです。働いて いた会社には海外支社があり、英会話のクラスが週2回あったので、それに参加していました。英語の先生はアメリカ人で年齢も近いことから仲良くなって、彼 女のアメリカの家に遊びに行くついでに、カナダに行ったりもしていましたね。1991年のお正月休みにカナダで短期留学をしようと思い、ホームステイの留 学プランを探していたのですが、たまたま時期が合わなくてNZに来ることにしました。NZという国をほとんど知らなかったので、とても魅力的な国に感じ て。NZの短期留学では、ホームステイファミリーのおじいちゃん、おばあちゃんと仲良くなって、それで日本に戻ってからNZにまた来たいと思っていまし た。」1992年の年末に仕事を辞めて、翌年2月からワーキングホリデーでNZに来た京美さん。「まず、ビーチリゾートタウンとして有名なフィティアンガ で2ヶ月くらい英語学校に通って、その後、クイーンズタウンに半年間いて、スキー三昧の生活をしていました。夜はレストランで働いて、仕事の後にみんなで 飲みに行ったり、踊りに行ったりする毎日でワーホリ生活を満喫していました。それから、旅行をしながらオークランドに戻ってきて、また以前のホームステイ ファミリーと一緒に過ごしました。ワーホリを終えて日本に帰国してからは、NZにまた戻って来るぞ、と思いお金を貯めていましたね。」 自身の経験が仕事に繋がる
日 本に帰国した翌年に、京美さんはロトルアで仕事を見つけてNZへ再度渡航。「7年間、ロトルアで販売員とツアーガイドをし、それからオークランドに引っ越 しました。その頃、『レーシック』に出会ったんです。2002年4月に私自身が視力回復のために『レーシック』の手術を受けました。手術後に本当によく見 えるようになって、とてもハッピーだったんですね。それからしばらくして、『レーシック』の日本人カウンセラーの求人募集を見つけ、自分の経験からも、是 非、この仕事がしたいと思いました。面接では、私自身が『レーシック』の手術の経験者であることも気に入っていただけて採用となりました。仕事は、『レー シック』のために日本人の患者さんが総合眼科アイ・インスティテュートに来られる時に同行して、通訳をしてサポートすることでした。遣り甲斐はあったので すが定収入の仕事ではないので、働き始めてしばらく経った頃にフルタイムの仕事がしたいと考え始めていました。そんな時、アイ・インスティテュートのドク ターに、はじめは週10時間からテクニシャンとして仕事をしないか、という話をいただいて働くことになったんです。その2ヵ月後に週32時間勤務になりま した。テクニシャンの仕事では、まず視力や角膜の厚さと形をマシンで測り、『レーシック』の手術に適するかどうかを判断する検査をします。その検査で手術 に適していると判断されたら、次に手術のための検査をします。その検査では角膜の68箇所にレーザーをあて、どのように矯正すればいいかという情報を得ま す。角膜の表面はボコボコしていてスムーズではないんですよ。 技術の発達を遂げる『レーシック』
「NZ では目の調子が悪い方は、まずGPあるいはメガネ屋に行きます。NZのメガネ屋は日本の眼科のようなもので、オプトメトリストという資格を持っているんで す。次にそこで治療が無理な場合に、紹介状を貰って総合眼科に行くことになります。私の働いている総合眼科アイ・インスティテュートには、オークランドか らだけではなく、NZ中から患者さんが来ます。それは、つねに新しい技術やマシンを取り入れている伝統的な総合眼科だからだと思います。白内障、緑内障、 網膜全般、充血、なみだ目などの病気を治療しているのですが、ドクターが8人おり、ドクター毎に専門に分れています。NZ人にとっては、目は歯と同じよう に大切で患者数が多いので、アイ・インスティテュートは実績もあり技術も高いですね。また、当院では視力矯正手術を約30年前に始めたのですが、約14年 前にアメリカで行われていた『レーシック』の手術をNZにはじめて広めたドクターもいて、現在でも彼はここで手術を担当しています。初期の『レーシック』 は手術後の痛みがひどく、目が空気に触れないためのパッチをはずすのに2、3日かかっていたそうです。私が手術を受けた2002年の頃は、痛みは感じない くらいに進歩していましたが、ナイフのようなもので角膜を切り、フラップを作り、そこにレーザーをあて角膜を矯正し、フラップを戻すという治療していたの で、説明の時に、『切る』という言葉が入り、患者さんにとっては今よりも怖いイメージがあったと思います。今年の5月に新しく導入された『イントラレー シック』の手術では角膜を切る必要がなくなり、レーザーを角膜の上からあてることによって気泡を作り、その気泡が連なってできるスペースがフラップになり ます。そこにレーザーをあてて視力を矯正します。日本では、『レーシック』の知名度が低いのですが、NZでは頻繁に行われているのでドクターの手術経験も 豊富で、患者さんにとっても安心感があるようですね。また、『レーシック』の手術は1度だけではなくて、何年か後に視力が落ちた場合も角膜の厚さが十分あ れば手術が可能ですし、手術をしてもコンタクトレンズも使えます。もちろん、近視のみならず、遠視の方も『レーシック』の手術を受けられます。ただ『レー シック』は、視力がマイナス7くらいの人までしか適用できません。それよりも目の悪い方は、コンタクトレンズのようなものを目に入れる視力回復手術が適応 できます。また、老眼は老化現象ですので『レーシック』手術には適しません。 安心できる技術の陰にある言葉と心のサポート
「『レー シック』を受ける患者さんは、まず検眼および角膜検査を行い手術の適正を判断し、DVDで手術の過程を理解し、それに対して質問をして納得した上で手術の 予約をするという順番で手術に至ります。そして、手術までは全て無料です。手術の日は、病院に来てから病院を出るまでだいたい1時間半くらいで全てが終わ ります。手術で実際にレーザーがあたっているのは近視や遠視の度合いによっても違いますが、片目が約30秒です。手術が終わった時点で、ほとんどの方はか なり見えるようになりますね。その後、目を擦らないための保護用のシールドという透明のレンズを着けて、その日は帰ってもらいます。シールドは水中メガネ のレンズのようなもので、目の周りに強力な粘着剤でくっつけられます。そして翌日に病院にまた来ていただいて、シールドを外し、目のチェックなどをしま す。その後は、定期的に検眼を行います。」目の手術ということで不安になる患者さんが多いことから、患者さんの気持ちを和らげる気遣いを大切にしている京 美さん。「患者さんには、『目が良くなると、掃除をいっぱいしたくなりますよ』とか、『レーシックでは、シールドを取るのが一番痛いですよ』って声をかけ ていますね。実際に、シールドはかなり強力に着いているので取った時に、『本当に、これが一番痛いわ』、『あぁ、ブラジリアンワックスみたいだわ(ビキニ ラインの強力な脱毛用ワックス)』と患者さんに言われたり。患者さんと話をしている時は、笑いや自分の体験談も入れて話をしていて、少しでもリラックスし ていただければいいなと思っています。」
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